2009-10-14

ベネズエラの貧しい子どもたちによるオーケストラ [NPR]


Original Title:Using Music To Mentor Venezuela's Poorest Youth

ロサンゼルスのオーケストラにベネズエラ人の若い指揮者が就任した。この指揮者はベネズエラの音楽プログラム、エル・システマの卒業生。

エル・システマはベネズエラの首都カラカスの貧困家庭の子どもたちに、音楽を演奏する機会を提供することで、頼れる居場所も提供している。もしこういう場所がなかったら、スラムに暮らす子どもたちは、ドラッグや犯罪に走るしかない。

エル・システマに参加したい子どもは、まず合唱団で音楽に接し、それから楽器に移行していく。「のだめカンタービレ」に描かれているように、音楽家になるには多くの知識と鍛錬を積まなければならない。でも子どもたちはその課題をひとつひとつこなしていくのを楽しんでいるよう。人前で演奏して拍手をもらうことで、音楽に対する興味をどんどんかきたてられていいる。ポジティブな反応がポジティブな態度を引き出しているのですね。

団員全員が音楽家になるわけではないけれど、オーケストラを通じて自立心と向上心、協調心を持つようになることが重要なんだ、と団員自身が言っている。

エル・システマがカラカスで成功したことで、ベネズエラ各地で同じような試みが始まっているとのこと。南米諸国も長いこと社会が疲弊している。でも、自立心と向上心と協調心を持つ国民が増えることで、より良い社会になっていってほしい。たぶん、団員自身が自分たちはその先頭に立っているという自覚を持っているのだと思う。