2012-03-14

干し野菜のおいしいレシピ [本谷恵律子著]


野菜を干すことに興味を持ちはじめた矢先に見つけた本。最近、野菜や果物を干すのが流行っているのですか?

色んな野菜と果物の干し方と、干し野菜、干し果物を使ったレシピが載っている。ちょい干し、しっかり干し、と干し加減(?)の違いで外見や風味が異なることがわかるようになっているし、野菜や果物の種類によって適した干し加減があることを教えてくれている。

珍しいのはキュウリ。ちょい干ししたキュウリを炒める料理が載っていた。夏になったら試そう。それから、干しレンコン。生レンコンできんぴらを作るとレンコンが崩れてしまうのだけれど、干しレンコンは崩れず、もっちりした味わいになった。

韓国では葉物野菜を干して使うと聞いていたが、やってみると風味が増して、煮くずれせず、これから干し野菜の習慣がつきそうだ。

ヒューゴの不思議な発明 [マーティン・スコセッシ監督]


2012年アカデミー賞で作品賞を逃した作品。1930年代のパリの駅を舞台に、孤児のヒューゴとおもちゃ屋の主人で、実は有名な映画監督だった老人と、からくり人形をめぐる話。

老人は、1902年に「月世界旅行」を制作したメリエスという設定。映画のタイトルは「ヒューゴ」で、少年の話かと思いきや、映画創生期の人々の情熱と夢が主題になっている。

ヒューゴの敵役となる鉄道警察官をサーシャ・コーエンが演じている。風刺がキツすぎるブラックコメディ「ボラット」とか「ブルーノ」に主演した俳優。巨匠マーティン・スコセッシの前では少ーし毒が緩和されていたけれど、強烈な印象を与えている。

3D映画を初めて観た。画面に奥行きがあって臨場感があるけれど、字幕が二次元なので時々我に返る感じ。しかも、眼鏡で映画館へ行ったので、3D用メガネの収まりが悪く、映画の世界に没入できなかった。

ドラゴン・タトゥーの女 [デヴィッド・フィンチャー監督]


デヴィッド・フィンチャー、やったねー。小説の映画化ではなく、映画「ドラゴン・タトゥーの女」が出来上がっている。

ベストセラー小説「ドラゴン・タトゥーの女」の映画化。原作は濃密なミステリーでありながら社会に向けたメッセージも織り込まれている秀作。原作の読者にはかなりはっきりしたイメージが作り上げられているから、映画化をどう評価するだろうか。一人の原作ファンとして、これは原作のアウトラインを持った上質のミステリー映画「ドラゴン・タトゥーの女」だ、と思った。

結末が原作と異なっているのだけれど、この結末もアリ、だと思う。むしろ映画を観てから原作を読むと、原作の結末の方がひねりすぎて終盤が長引いてしまった、という印象を受けるかもしれない。

この映画にもクリストファー・プラマーが登場。若き日のクリストファー・プラマーを「眺めのよい部屋」のジュリアン・サンズが演じている。いい配役だと思う。

「移民の歌」がバックに流れるオープニングのアニメーション(?)。よく観ていると、ミレニアム・シリーズの第2作、第3作のエピソードをなぞっているかのような動きだ。すると、今後、「火と戯れる女」「眠れる女と凶卓の騎士」も続々映画化、ということか。

ただ、登場人物たちの背景がかなり抜け落ちているので、原作を読まずに映画を観ると、途中で???という部分がかなりあると思う。

スウェーデン人(イギリス人、アメリカ人、なんにせよ)も、人の気持ちを損ねてはいけない、という本能が働くのか。このことは原作にももちろん書かれていたけれど、この映画を観て、ちょっとでもあれ?と思ったら立ち止まってよく考えること、というのを習慣づけることにした。

2012-03-09

八十日間世界一周 [ジュール・ヴェルヌ著]


おんもしろ~い!!!1873年の作品。つまり140年間人々を楽しませ続けている本なのだ。

ロンドン在住の裕福な紳士、フォッグ氏が、所属するクラブで交わした世間話から、80日間で世界一周を成し遂げてみせる、という賭をする。賭をしたその日の朝に雇い入れたフランス人執事パスパルトゥーを伴って、東回りの世界一周の旅に出かける、という話。

ヨーロッパを横断して、エジプト、スエズ運河経由でインドへ、さらに香港、上海、横浜、サンフランシスコ、アメリカ合衆国を横断してニューヨーク、リバプール、ロンドンというルート。19世紀中頃には最先端テクノロジーであった、汽船や鉄道を駆使して80日間という短期間(?!)で世界一周を成し遂げようという大冒険。

汽船や鉄道は最先端テクノロジーだが、行く先々の土地はまだまだ未開の地だ。インドでは若くて美しい未亡人のアウーダ夫人を救出し、アメリカではインディアンと戦い、洋上では悪天候に見舞われ、次から次へとありとあらゆる困難が降りかかる。しかし、フォッグ氏は"なんのおどろきもあらわさず"、淡々と旅を続ける。

フォッグ氏と他の登場人物たちの対比が時々、吹き出してしまうようなおかしさを醸し出している。冷戦沈着なフォッグ氏に代わってパスパルトゥーが青くなったり赤くなったり激しい感情の起伏を見せるし、アウーダ夫人でさえ、"真っ青になって、すべての血が心臓に逆流して"しまう。

最後はもちろん、ハッピーエンド。潤沢な資金があって、思慕の情を募らせる相手とともに冒険の旅をして家に帰る。すべての旅好きの究極の夢ですね。

1956年映画化。フォッグ氏はデビッド・ニーブン、アウーダ夫人はシャーリー・マクレーン。

2012-03-07

オレオ誕生から100年 [GOOD FOOD]


Original Title: Oreo's 100th Birthday

今年販売100周年を迎えるオレオの製造販売元クラフト社の副社長にインタビュー。

オレオは1912年にナショナル・ビスケット・カンパニーで開発されて売り出された。誰かが考えついた、というよりチームで開発した製品とのこと。オレオという商品名の由来と意味はいまだに不明。

オレオといえば、アメリカでは"ひねって、なめて、ひたして(twist, lick, dunk)"というキャッチフレーズが有名。調査によると、男性の84%はそのまま食べて、女性の41%はバラして食べるとのこと。しかし、各人それぞれがそれぞれのオレオ"儀式"にのっとって食べている。この副社長は、回りのクッキー部分のみをかじった後、片方のクッキーでクリームをすくって食べる、と言っている。

100年の間にいくつか変化もあった。マンホールの蓋のよう、と言われているクッキー部分の模様はこれまで3回デザインが変わった。今のデザインは1952年からのもの。

オレオのおいしさは、甘くないココアクッキーが甘い白いクリームを引き立てていることにあるけれど、1970年代に工場ラインのミスから、バニラクッキーにチョコレートクリームをサンドするゴールデンオレオを生産したことがあった。それから、クッキー好きのファンのために、3枚のココアクッキーに白クリームとチョコクリームをサンドした3層オレオを販売したことも。これまで期間限定の色々な味を出してきたが、100周年記念のバージョンを夏に発売する予定だそう。

今や100ヵ国で売られているオレオは、各国の嗜好に合わせた味を作っている。中国限定版は、ココアクッキーに抹茶クリームのオレオ。中国みやげに最適ですね。アルゼンチンではクリームがドルチェ・デ・レチェのバージョンも。

番組ホストが、今の話でオレオの売り上げが上がったわよ、と言っているが、オレオを食べたくなってきた。