2009-05-23

食べ過ぎの科学| 隠れバー| 即席ゲイバー [GOOD FOOD]


Original Title: The Science Of Overeating; Vodka; Blueberries; Las Vegas' Water Shortage

食べ過ぎの科学

スナック菓子など「食べたいなー」と思う時、同時に「ダメダメ」と抑制する自分がいる。食べたい、ダメと自問自答してしまうわけなのだけれど、これは中毒になっているからだ、という話。

食欲に促されて食べ物を摂取すれば満腹になって満足するはずなのだが、砂糖、塩、脂肪の組み合わせは食欲をさらに刺激して、人を中毒にさせてしまうとのこと。タバコや酒、ドラッグ、博打などと似ているかもしれない。

ただ、中毒だからといって砂糖の袋を差し出して「お楽しみください」と言われても何のこっちゃ、である。砂糖、塩、脂肪の組み合わせに食感、匂いなどが加わったものに人は反応して、中毒になってしまう。スナック菓子の甘辛味、サクサク感、舌に残る味などがもっと食べたい欲求を駆り立てるのだ。

だから食物本来が持つ味と舌触りに集中して、砂糖、塩、脂肪が醸し出す食品の風味から自分を切り離すようにすれば食べ過ぎを防ぐことができる、と言っている。なるほど。確かに中毒だと考えると、空腹でもないのにお菓子を食べたい気持ちを打ち負かすことができる、ような気もする。

インタビュー相手は元米国食品医薬品局の局長(?)だった研究者なのだけれど、この人は自説をまるで詩を朗読するかのように話す。文節ごとに緩急があり、重要な語句の前では間を取ってその語句だけそっと置くように言ったり、激しい口調で危険性を説いたり。番組ホストが質問を挟む余地を与えない。

隠れバー

日本でも隠れ家バーなんてよく雑誌に紹介されているけれど、ここで紹介しているバーは本当に入り口が隠れているよう。

一つのバーは、あるレストランの奥にあり、入り口は洋服ダンスの扉を模しているらしい。ナルニア物語のようですね。その扉にハガキ大のカクテルの絵が貼ってあるので、バーの入り口とわかる。別の店は高級ホテルのレストランの奥にあり、秘密の逢い引きにふさわしい雰囲気。もう一つの店はイタリアン・レストランの中にある秘密のワインバー。お手洗いへの通路の途中に入り口がある。内部は狭くて、天井にベルベットの布が垂れ下がりセクシーな雰囲気。

どの店も独創的なカクテルがオススメ。ジンとはちみつとライムのカクテルとか、スモークティーとウィスキーのカクテルとか。

即席ゲイ・バー

ゲリラ・ゲイバーというグループが、月に1回、流行りのオシャレなバーを標的に定めて即席ゲイバーにしてしまう、という活動をしている。ゲリラ・ゲイバーのメンバーは3000人以上いて、そのうち1割くらい300人が標的の店に集まれば、そこがゲイバーになってしまうというわけ。店には女性客も来ているのだけど、女性客は結構楽しんでいるよう。店側もそれほどいやがってはいないらしい。

でもゲイにはカッコいい男性が多いから「あら(はぁと)」と思ったらゲリラ・ゲイバーのメンバーだった(涙)なんてこともあるかも。

2009-05-22

Can Positive Thoughts Help Heal Another Person? [NPR]


ポジティブな考え方が本人だけでなく身近な人にも良い影響を与えるという話。

90年代半ばにHIVに感染した女性が、薬を服用していないにもかかわらずエイズを発症することもなく他の病気にかかることもなく健康に暮らしている例が紹介されている。90年代半ばにHIVに感染したら、それは死を意味していた。

この女性はユダヤ人だけれど、特定の宗教を信仰してはいない。ただ、毎日祈って瞑想している。「私は自分の心を完全にコントロールしている」とのこと。

彼女の担当医も患者の「祈り」に注目している。このユダヤ人女性のようにHIVに感染しながら健康に暮らしている人たちに共通するのは「自分達はスピリチュアルである」と言っていること。スピリチュアルであるというのは、神を信じているということか。信仰している宗教があるにせよ、ないにせよ、神とも仏ともアッラーともヤハヴェとも呼ばれる宇宙霊(!)の善意を信じている、ということ。

患者本人の心の態度が健康に何らかの影響を及ぼすことはよく知られているが、他人を思う気持ちもその対象となる人の健康に影響を与えているらしい。

たとえば病院で、周囲が「良くなってほしい」と祈っている人は回復が早いということがある。

ある研究者が36組の夫婦で実験したところ、夫婦の片方が相手のことを考えると、2秒で相手の血流に変化が現れた。相手には無音の部屋に入ってもらい、二人は隔離されているにもかかわらず。

たしかに長生きのおじいさん、おばあさんの多くは家族から慕われて愛されているようにみえる。とはいってもみんなから愛されている人でも早死にする人はいるし、祈りが通じない場合もあるけれど。

以前、顔を合わせるといつも「もぉダメェ」と言っている同級生がいた。愚痴が多かった。その人は卒業して1年経たないうちに病気で亡くなったのです。

とにかく否定できないのは、ポジティブな態度こそが健康に良い影響を与えるということ。自分自身に対しても、身近な人たちに対しても。ポジティブ(人生に対する前向きな態度)は、本当に人間が生きていく上で欠かせない要素です。

2009-05-19

The Secret Advantage Of Being Short [NPR]


神経学者の研究によると、体の部位を触れられた感覚を脳が知覚するまでの時間は、触れられた部位と脳との距離に比例するとのこと。

鼻の頭と足のつま先を同時に触れられたら、鼻の頭を触れられた感覚の方が先に脳に達し、つま先についてはちょっと、1/10秒位遅く達する。

というわけで、背の高い人より背の低い人の方が、敏感だといえる。

なるほど。ギャグ漫画でいわゆるノッポとチビのコンビがいると、チビの方が素早くてノッポの方がのんびりさんというのは、神経学的にも合っているわけですね。

2009-05-16

New York Stories; Smoked Fish; Brooklyn Artisans; Indian Cooking at Home [GOOD FOOD]


GOOD FOODはロサンゼルスのラジオ局の番組なのだが、この回はニューヨークへ出張取材。

中東方面の食品を扱っている店を紹介。

店には瓶に入ったナッツ、ドライフルーツが所狭しと並べられている。かつてはご近所の殆どが中東諸国からの移民だったので、客も中東人ばかりだった。でも、この数十年で様々な民族が住むようになり、中東人以外の客が増えてきている。町角に立つと、8、9カ国語が聞こえてくるくらい。ちなみにこの店は創業60年とのこと。

最近の人気は生ナッツ。中東人は生ナッツを食べる習慣があるが、その他の客は生ナッツを敬遠していた。数年位前から生ナッツが健康によいと言われはじめ、生ナッツを買いに来る客が増えているとか。生アーモンドは皮を剥いて、塩に漬けて食べるとおいしいとのこと。

それからこの店ではモロヘイヤを売っている。モロヘイヤはアメリカではまだ珍しいのかな。エジプトの代表料理にモロヘイヤスープがある。ちなみに日本では夏が旬で、たいていおひたしにしている。キッシュにしてもいいようなので、この夏、モロヘイヤキッシュを作ってみようと考えている。ま、それはともかく....。

この店の客は皆、異国の料理や文化に興味を持って積極的に知ろうとしているよう。店の主人が、「食べ物はよその文化を知る素晴らしい入り口だ。殴り合うより先に同じテーブルに座って互いの食事を味わうべきだ」と言っている。

番組ホストが911の時はどうだったかと訊ねた。あの日、飛行機がビルに突っ込んだと聞いた20分後、主人は店を閉めて家に帰った。翌日、店に来ると7、8人の人たちが店の前に集まっている。何なんだ?と訝しく思ったが、それは近所の人たちだった。この店が襲われていないか心配で、店の主人に「安心していいよ」と慰めに来てくれていたのだ。

店の主人は、ここには民族対立のような軋轢はまったくない、とご近所を誇りにしている。

店はブルックリンのアトランティック・アベニューにある。ブルックリンのアトランティック・アベニューに行ってみたくなった。そして塩に漬けた生アーモンドを食べてみたい。

2009-05-13

横溝正史探偵小説選 2[横井司叢書監修]


横溝正史が少年雑誌、少女雑誌に書いた探偵冒険小説と小文で、単行本未収録のものを中心に集めたアンソロジー。

作品が書かれた時代は戦前、戦中、戦後にわたっていて、舞台が台湾だったり、サーカス団が出てきたり、活動写真の撮影に見せかけた犯罪とか、貴族も登場するし、主人公の少年が警部から頼りにされて一緒に捜査するとか、今の時代にはない設定が多い。

横溝正史にしては謎の解決を端折りすぎ。主人公に魔の手がついそこまで忍び寄ってハラハラさせておいて、次の章では「すべては終わりました。謎はこういうことで、あれから主人公は探偵少年に助けられて、犯人はアメリカへ渡って死んだということです」で終り。

とはいえ、つい夢中になって読んでしまった。本当にハラハラさせられるのだもの。連載当時に読んでいたら、次号発売まで相当イライラしたと思う。

当時にあっても絵空事のお話なのだけれど、21世紀に入った現在、このような設定の探偵冒険小説があったらギャグになってしまう。昔は物事が単純だった。今はリアルを追求しすぎ。

随筆編で、横溝正史が「子供たちに必要なのは夢であり飛躍する心です」と書いている。こういうコワい小説は子供の精神発達によくない影響を与える、なんていう大人がいるが、子供が周囲の大人たちから愛され慈しまれているなら、現実と小説を混同することはないと思う。ゲームにしてもテレビ番組にしても同じことだ。このことは「FBI心理分析官」を読んだから思った。

2009-05-06

Record High Army Suicides Prompt Action [NPR]


イラク帰還兵の自殺率がとても高いというニュース。

今年に入って4月までに64人が自殺したとのこと。特にケンタッキー州出身の帰還兵の自殺率が高いらしい。

どの人たちもいつも通りの生活をしていて、ある日自らの命を絶ってしまう。残された家族、妻、友人は突然のことに呆然。

軍ではミーティングで「自殺するなんてバカなことを考えるな」と説いている。しかしそう言っている士官の言い方は怒っているように聞こえた。自殺願望のある人の心に届くだろうか。

その他に軍では、悩んでいる同僚にどのように接するべきか、ロールプレイイングゲームのようなビデオを使って、兵士たちに自殺回避のよりよい方法を探らせている。

米軍に古くからある"相棒システム"で、兵士同士がお互いにどういう状態かを観察し合い、自殺回避につなげようとする動きもある。しかし、相棒同士が自殺願望を持っていたら、果たして効果はあるのだろうか。

日本の自殺者数はこの11年間、年間3万数千人を超えている。イラク帰還兵の自殺率どころじゃない。どちらも国の政策に振り回されての結果といえるのではないか。

2009-05-05

FBI心理分析官-異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記- [ロバート・K・レスラー&トム・シャットマン著]


主に性的連続殺人の犯罪現場の状況から犯人像を描き出す科学捜査の技術について、その手法を発展させた第一人者が、これまでの有名事件を例に語っている。

例えば、20代の女性が自宅で襲われて、近くの森で惨殺遺体で発見される。心理分析官は「犯人はやせ型の20代の白人男性で、高卒か大学中退。一人住まいか片親と暮らしている。一人住まいなら部屋は汚れ放題だ」なんて犯人像を描き出す。シャーロック・ホームズのようだ。このプロファイルをもとに、警察は容疑者を絞り、捜査の無駄を減らすことができる。

性的連続殺人の犯人は大まかに秩序型と非秩序型に分けられ、秩序型は人の心を操ることに長け、被害者を自分のコントロール下において犯行に及ぶとのこと。人を支配しようとする人には警戒しなければ。一方、支配されたい願望を持っている人もいますけれど。

巻末の解説を書いている精神医学者の福島先生は、性的連続殺人の犯人はたいてい白人で、吸血鬼の業を連想させる、と書いている。有色人種の日本ではアメリカほど性的連続殺人は発生してないが...。とにかく犯罪者は、幼少時の家庭環境、特に母親の態度が大きく影響しているのは確実のよう。母親という存在も支配しようとする傾向がありますね。

怖いもの読みたさで、一気に読んでしまった。続編も出ているので、いつか読もうと思う。

1990年代のベストセラー。奥付を見たら初刷から1年未満で94刷になっている。すごい売れたんだ。トマス・ハリスは「レッド・ドラゴン」や「羊たちの沈黙」を執筆する際、主著者のレスラーに取材した、とレスラー自身が語っている。

2009-05-04

ブルー・ムーン亭の秘密 [パトリシア・モイーズ著]


初めて読んだパトリシア・モイーズの作品。

大伯父の遺産である寂れたパブを相続した女主人公が、そこを高級レストランとして蘇らせたのも束の間、店内で殺人事件が連続して起こり、本人も命を狙われるというミステリー。

殺人という犯罪は起こっているものの、全体として軽く読めてファッショナブルな雰囲気を味わえる上、それはちょっと強引かも、というハッピーエンドで終わる。

初めて読んだので、女主人公に感情移入して読んでいたのだけれど、捜査を担当しているスコットランドヤード警視とその奥方がモイーズ作品の主人公だということを解説を読んで知った。読み返したら最初の登場人物一覧に、警視と奥方が一番上に載っていた。

2009-05-03

ザ・タイマーズ [ザ・タイマーズ]


2009年5月2日、キヨシロー死去。
先週くらいから「またRCサクセションを聴こう」と思っていたところだった。
死去を知って、持っているCDを全部また聴いた。
この反骨精神! 私は忘れていた。今こそこの反骨精神を持つべきでないのか!
なぜ私の心はキヨシローから離れてしまったんだ。
そうだ、キヨシローが自分の家族のことを歌うようになったからだった。

なぜこの反骨精神が廃れていってしまったのかな。
携帯電話をみんなが持つようになってから反骨精神が失われたような気がする。

"軽薄な国民にはなりたくない"

"どっかの山師がオレが死んでるって言ったってさ。よくゆうぜ。あの野郎よくゆうぜ"