2009-10-25

トム・ハンクス、下積み時代を語る [NPR]


Original Title: At Great Lakes, Tom Hanks Gets Back To His Roots

グレート・レイク演劇祭の基金集めのため、トム・ハンクスがクリーブランドの演劇高校で行った対談。出演映画のキャンペーンでなく、トム・ハンクスが純粋に演劇や自身について語っている。

トム・ハンクスはこの20年くらい出演する映画はどれも名作として記憶されているが、役者としてのキャリアは、このグレート・レイク演劇祭が出発点だったとのこと。ただし、ノーギャラの大道具兼エキストラとして採用された。

これまでの撮影裏話も語っている。「プリティ・リーグ」撮影時は、その夏の間野球を見て、ビール飲んでホットドッグを食べてリラックスしていたので、撮影が終わってから普通の生活に戻るのが難しかったと。

「天使と悪魔」の中で一番好きな部分はどこかとの質問に、撮影中いつも笑いが絶えなかったこと、撮影現場の近くにあるピザ屋が、クルーのために店を開けてくれ、いつでもカプチーノを飲んだりピザを食べたりしたこと、と答えている。「ダビンチコード」の撮影中に50才の誕生日を迎え、ルーブルでクルーが誕生会を開いてくれたことも忘れがたいと言っている。

この記事を聞いていて思うのは、トム・ハンクスは物事を前向きにとらえている。話を聞いているとこちらも明るい気分になってくる。前向きだから成功したのか、成功したから前向きなのかと考えると、たぶん両方だと思う。下積み時代が長かったから苦労もあったと思うけれど、作品の中でトム・ハンクスは人間を最後には肯定的に描いている。それは役者自身を反映しているからだと思う。やはり、前向きな姿勢というのは、重要ですね。

2009-10-24

カボチャのチーズフォンデュ | どうやってソバを保存するか | デリを救え! | ユーゴのワイン [GOOD FOOD ]

Original Title: Culture Clash; Delicatessens; Alton Brown; Wines after War

カボチャのチーズフォンデュRoast Pumpkin with Cheese Fondue
番組ホストがファーマーズマーケットでカボチャのレシピを教えてくれている。日本のカボチャを”カボチャ・スクワッシュ”と呼んでいる。このカボチャのチーズフォンデュは、ジャパンのカボチャで作るのが一番いいとのこと。くり抜いたカボチャにクリーム、グリュイエールチーズ、エダムチーズ、スープストック等を入れ、蓋をしてオーブンで焼く。中身がスフレのように膨らむ。それを果肉(?)と一緒にすくって食べてください、とのこと。聞いているだけで生唾が出てくる。

写真はGOOD FOODサイトから持ってきてしまったもの。あまりにおいしそうなので。


どうやってソバを保存するかRefrigeration of Asian Noodles
ロサンゼルスはアジア系移民が多いので、アジア系食品スーパーの内容も充実している。ということは、麺の種類も豊富。ところでアジア麺は米粉で作られたものが多く、細かったり薄かったり、繊細なものが多い。アジア各国では早朝に作ったものを市場で買ってその日の内に食べてしまうが、スーパーで売るとなるとそうもいかない。カリフォルニア州では衛生管理法(?)によって、生ものは5℃以下で保存しなければならないことになっている。でも5℃以下で麺を保存したらすぐに乾いて風味が落ちてしまう。ということで、アジア系移民がこの法律の適用に反対しているとのこと。ちなみにこれまで生の麺で食中毒は出ていないようなことを言っている。

日本の蕎麦やうどんは冷蔵ケースで売られているし、うどんは冷凍の方がおいしかったりする。技術開発できたら儲かるかも....。


デリを救え!Save the Deli
なんとNPRの「ユダヤ料理のデリを救え(A Mission To Save Real Jewish Delis, A Dying Breed)」のゲストがここにも登場。ユダヤ食品を扱うデリが危機に瀕している話をしている。

ユダヤ料理がどういうものかよくわからないのだが、脂肪がのったハムや塩気の効いた料理が多いらしい。最近はそういった食品は健康を害すると敬遠する人が多く、デリでは売らなくなっているようだ。ユダヤ系の若者たちも東欧や中東との接点がほとんどなく、むしろイタリアン、タイ、コリアン、ジャパニーズといったエスニック料理を知ってますますユダヤ料理から遠ざかっている。そういうわけで、伝統的ユダヤ食品を扱うデリがどんどん減ってきて、消滅寸前らしい。

ユダヤ人は紀元前から続く古代民族だけれど、土地を持たないのにユダヤ人としてのアイデンティティを持続しつづけているのは、宗教や文化風俗を脈々と受け継いできたからなのですね。しかし食文化が変わるとなると、どうなっていくのでしょうか。


ユーゴのワインWines after War
地中海に面している旧ユーゴ諸国産のワインの話。カリフォルニアワインに使われているいくつかのブドウ品種は旧ユーゴが原産のものがあるらしい。

旧ユーゴ地域では、1980年代から1990年代まで続いた紛争でワイン作りのほとんどすべてが失われてしまった。数年前から新たに始まったワイン作りでは、新しい品種を取り入れたり、人気の風味を目指したりしているよう。地域経済活性のために歓迎すべきことだが、長い伝統があるユーゴ地方独自のワインも支えていきたい、と話している。

セルビア、クロアチアに興味があり、一時期関連の本を読んでいた。ワインが有名とは知らなかった。この地方はイベリコ豚のようなおいしい豚肉の産地でもあるから、ハムとワインという楽しみもあるのですね。

2009-10-17

パイのお勉強 | 小さい台所 [GOOD FOOD]

Original Title: The Green Fairy; Portuguese Cuisine; Kitchen Re-Do's; Bountiful Trees

パイのお勉強

番組ホストのパイの先生がゲストで、パイについてお話している。まずタルトとパイの違いについて。タルトはフランス菓子で、パイ生地がクッキーのようなサクサクしたものであり、フィリングは型の高さまでしかない。つまり低めの仕上がり。一方パイのパイ生地はパリパリしたもので、フィリングをうずたかく積み上げるように作る。ボリューム感のある方がパイ。まさにアメリカンパイですね。パイ作りが敬遠されるのはパイ生地を作るのが面倒くさそうだから。でもとにかくやってみなさい、きっと満足感が得られますよ、と言っている。

私もキッシュを作るようになってからパイを作り始めたのだけれど、練るときにベタベタするのを打ち粉でおとなしくさせたり、生地を休ませてる間に犬の散歩に行ったり、パイ生地を型にはめたあとフォークですき間なく穴を開けるのがおもしろい。パイ生地のレシピはあまたあり、それぞれ食感が異なるから、いろいろ試すのも楽しい。失敗しても結局は食べられますからね。写真はGOOD FOODのウェブサイトに掲載されているレシピで私が作ったココナツクリームパイ。

小さい台所

番組ホストはレストランのオーナーシェフなのだけれど、自宅の台所にはオーブンがないとのこと。パイはトースターオーブンで焼いていると言っている。ニューヨークタイムズのコラムニストがニューヨークのアパートの狭い台所で料理の腕をふるっている話。広くて最新の調理器具が揃った台所でなくても、色んな種類のおいしい料理が作れるということ。逆に広くて最新の調理器具が揃った台所ではあまり料理はされていないんじゃないか、と。このニューヨーカーは、台所に欠かせないのは冷蔵庫、シンク、ガステーブルと言っている。確かに、この三つがないと台所とはいえない。しかもこの三つの品質が良ければ調理もしやすいと思う。

雑誌で料理関係有名人の自慢の調理器具などの特集があるが、質素な台所でも十分やっていけるということに意を強くした。要は調理人の頭と腕次第ということですね。私は炊飯器だって不要と思うくらい。でもオーブンレンジと大中小のボウルは必要だな。

モンティ・パイソン40年目の同窓会 [NPR]


Monty Python’s Flying Circus
Monty Python’s Flying Circus,
originally uploaded by Antikris.
Original Title: Not Spam: Monty Python Reunites For Night [NPR]

モンティ・パイソンの面々が英国映画・テレビアカデミーから功労賞を贈られ、その受賞式がニューヨークで行われた。モンティ・パイソン放送から40年目にあたる。これに合わせて独立系チャンネルが6時間のドキュメンタリーを制作し放映した。そのタイトルは「モンティ・パイソンの真実(弁護士カット版)」

受賞式にはモンティ・パイソンの熱狂的ファンが集まり、「スパム」を合唱したよう。「スパム」コントがスパムメールの語源になったということを私は知らなかった。新世代にもモンティ・パイソンファンは生まれており、10才の女の子が「スペイン異端宗教裁判」コントのセリフをメンバーの前で披露する一幕もあった。

モンティ・パイソンメンバーのうちグレアム・チャップマンは20年前にガンで亡くなっている。(奇しくも山田康雄さんが吹き替えてたメンバー)舞台上には段ボールで作ったチャップマンの切り抜きが置かれたのだが、ジョン・クリース(納谷悟郎)は、たとえ段ボールの切り抜きで登場するメンバーが増えているとしても50年目の同窓会をやりたい、と話した。(日本語吹き替えメンバーでは広川太一郎さんも鬼籍に入られた)

全員が段ボールの切り抜きになったとしても、ファンは同窓会をするでしょう。日本のモンティ・パイソンファンは、オリジナル版と吹き替え版と、楽しみが2倍あって、世界のどのモンティ・パイソンファンよりモンティ・パイソンを楽しんでいると思う。

2009-10-15

アルゼンチンを知るための54章 [アルベルト松本著]


パタゴニアに行くので、アルゼンチンについても知ろうと思い読んだ。

著者は横浜国大に留学して、そのまま日本に残った日系アルゼンチン人。自分の経験と多くの資料から、わかりやすくまとめて書いている。

アルゼンチンの歴史、社会、経済、行政といった様々な面を54章に分けているのだけれど、40章くらいまで読んで、あとは流し読みしてしまった。なぜなら、どこを切り取ってもアルゼンチンという国は破綻しているとしか読みとれないから。

アルゼンチンの有名人といえばマラドーナ。アルゼンチンという国はマラドーナみたいだ。とても魅力があり、華やかに活躍する時もあるけれど、日常では自己中心的ではた迷惑な荒んだ生活をしている。

著者はアルゼンチン人気質について「自分だけがよければいい」「公の問題は自分の問題ではない」と書いている。日本でもこういう気質増えているように見受けられる。さらに、アルゼンチンの学校崩壊は普通のことらしい。日本もアルゼンチンのように破綻していくのか。

著者はまた「このずる賢さは質が悪く、やっていない振りをしながら相手の油断によって利益を得る」(p.110)「どこかで無意識に自分より油断しているアホな人を標的にしてしまっている」(p.111)と書いている。ブエノスアイレス行きを考えただけで、胃が痛くなってくる.....。

2009-10-14

ベネズエラの貧しい子どもたちによるオーケストラ [NPR]


Original Title:Using Music To Mentor Venezuela's Poorest Youth

ロサンゼルスのオーケストラにベネズエラ人の若い指揮者が就任した。この指揮者はベネズエラの音楽プログラム、エル・システマの卒業生。

エル・システマはベネズエラの首都カラカスの貧困家庭の子どもたちに、音楽を演奏する機会を提供することで、頼れる居場所も提供している。もしこういう場所がなかったら、スラムに暮らす子どもたちは、ドラッグや犯罪に走るしかない。

エル・システマに参加したい子どもは、まず合唱団で音楽に接し、それから楽器に移行していく。「のだめカンタービレ」に描かれているように、音楽家になるには多くの知識と鍛錬を積まなければならない。でも子どもたちはその課題をひとつひとつこなしていくのを楽しんでいるよう。人前で演奏して拍手をもらうことで、音楽に対する興味をどんどんかきたてられていいる。ポジティブな反応がポジティブな態度を引き出しているのですね。

団員全員が音楽家になるわけではないけれど、オーケストラを通じて自立心と向上心、協調心を持つようになることが重要なんだ、と団員自身が言っている。

エル・システマがカラカスで成功したことで、ベネズエラ各地で同じような試みが始まっているとのこと。南米諸国も長いこと社会が疲弊している。でも、自立心と向上心と協調心を持つ国民が増えることで、より良い社会になっていってほしい。たぶん、団員自身が自分たちはその先頭に立っているという自覚を持っているのだと思う。

2009-10-13

患者が医療費をつり上げている? [NPR]


Original Title: How The Modern Patient Drives Up Health Costs

NPRの記者が、なぜ米国の医療費は高いのかを追っているシリーズ。前回は、町にいる医者の数が多いと医療費が高くなる、という話だったが、今回は、患者が医療費をつり上げている、という話。

米国では患者自身が、雑誌やテレビ、最近ではインターネットで自分の症状に合致する病気を調べ上げて、医者に相談に行くケースが多いようだ。さらに医薬品の広告もあふれていて、そんな症状がないにもかかわらず、その薬を服用したいから医者に行って相談するらしい。

医者の方でも、適切な処置をしなかったと後で裁判沙汰になるのを恐れて、患者の言いなりの治療をすることもままある。そのために医療費がどんどん嵩んでいく傾向が加速されているとのこと。

前の記事を読んで「医者の言いなりになっていいのか」と思ったが、医者も言いなりになっているのですね。自分の体は自分で管理、とはいっても過剰反応も逆効果だし。

取り越し苦労厳禁。病は気から。80年代にエイズを発症した人で今も元気な人もいるし、70才で癌を患って100才の今も元気というおばあさんもいるし。積極精神が命を活かすというのは、本当ですね。

2009-10-12

家庭で作れるトルコ料理-世界三大料理の魅惑のレシピ- [荻野恭子著]


トルコ人留学生を世話したことがきっかけで、トルコへ行って留学生の実家でトルコ料理修行をした成果をまとめた本。トルコ料理のレシピとは別に、トルコ滞在中のエッセイも掲載されている。

日本にある材料で作れて、日本人の口に合う料理ばかり集めているので、作ってみようかなという気にさせられる。野菜料理が多いから、ベジタリアン向きかも。

以前トルコ料理のレストランに行った時は出された料理を食べるだけだったけれど、この本を読んでから行ったら、料理の背景や材料、作り方がよくわかり、もっと楽しく食事ができたと思う。トルコ料理レストランへ行きたくなった。

ところで、豆と野菜のポタージュスープはフードプロセッサがないと作れないなぁ、と思っていたけれど、ストレイナーを使えばいいのですね。ストレイナーならフードプロセッサほど場所をとらないし、洗うのも簡単。そのうちストレイナーを買っていろいろなポタージュスープを作ろうと思う。

2009-10-11

危機に晒されている注射針交換 [NPR]


Original Title:Needle Exchanges Face A Fight In Congress

米議会に提出されている、無料の注射針交換への援助打ち切りという、小さな議案が大きな影響を与えるかもしれないという話。

米国では、薬物中毒者が支援団体に使用済みの注射針を持ち込むと、新しい注射針に交換してもらえるプログラムがあるらしい。注射針の使い回しによるHIV感染を防ぐのが目的。このプログラムは著しい効果をあげていて、高い評価を得ている。でも注射針交換は薬物使用を促進する面もある、とプログラムに反対する意見も根強くある。

NPR記者がワシントンDCで注射針交換の現場を取材している。プログラムを実施している支援団体のスタッフは、以前はホームレスで薬物中毒患者だった人たち。更正したスタッフは、「注射針交換がHIV予防の効果をあげているという統計よりも大事なのは、ここには人と人とのつながりがあるってこと。誰かが自分を気にかけている、ということが自分を大切にすることにつながるのだから」と言っている。

ポジティブな態度がポジティブな面を引き出していくのですね。三谷幸喜の人形活劇「新三銃士」ではないけれど、関わろうとする気持ちと態度は確かに必要です。

2009-10-09

米医療制度のガンは医者にあるのかも [NPR]


Original Title:The Telltale Wombs Of Lewiston, Maine

オバマ政権は国民皆医療保険制度を設立しようとしているが、反対派が激しい論戦を繰り広げている。医療費が高すぎることが医療保険制度設立の大きな障害になっているのでは、と考えたNPR記者が取材を重ね、アメリカの医療費が高いのは医者に原因があるようだ、と問題提起している。その背景には、ある意味経済学的要因が絡んでいる。

高額な医療費の原因は医者にあるという結論は、ある研究者の気の遠くなるような膨大な量の調査が貢献している。1970年代、ウェンバーグという研究者が、ある1年間のメーン州のすべての町のカルテをすべて集めて、それを分析した。

ところで、NPRの一つの記事はたいてい5分から10分の長さなのだが、この記事は21分46秒という異例の長さ。結論に至るまでの経過も興味深いのだが、それを端折って結論をいうと、町に医者の数が多いと患者が支払う医療費は高くなる傾向があるということ。

供給が多ければ価格は下がるはずだが、この場合は供給側が収入を維持するために価格を上げているのだ。その方策はたいていの場合、高額の治療を頻繁に施すということ。高額の治療は必ずしも患者に必要な治療とは限らない。さらに!頻繁に治療を受けている患者の余命は短くなる傾向があるとのこと。

日本の保険制度も満足いくものではないけれど、米国医療保険も再考していいのではないでしょうか。それから、医者の言うことを鵜呑みにしていいのか。自分の体のことは自分で管理しなければ。

2009-10-04

四畳半神話大系 [森見登美彦著]


おもしろい!
笑っちゃう。

京都の男子大学生が、これまでの学生生活を後悔しつつ七転八倒の末、とりあえずハッピーエンド、という4短編が、手を変え品を変え繰り返される。登場人物と、出だしと、最後が全く同じで、中間が変化している。最後のストーリーは趣が違うけれど。

人が悩んだり身悶えしたりしている姿って、すごく引き付けられる。勝ち組なんて気取っている人の内面なんかつまらない。主人公は(一人称で語っているので、名前がわからない)、たぶん見た目はイケメンでないと思うけれど、読んでいると内面は魅力的だよ。なぜならこの男子は自分をさらけ出して、まったく気取っていない。実際の人間関係では、男子はカッコよく見せるために気取っているけれど、気取っていない方が良く見えるんだよ。その上で自分の内面とちゃんと向き合っている人はカッコよく見えるんだよ。

「薔薇色の有意義なキャンパスライフ」なんて至宝でもなんでもない。至宝は、最後に自分で納得できるように人生が終わるかどうかなんだ。