2012-03-09

八十日間世界一周 [ジュール・ヴェルヌ著]


おんもしろ~い!!!1873年の作品。つまり140年間人々を楽しませ続けている本なのだ。

ロンドン在住の裕福な紳士、フォッグ氏が、所属するクラブで交わした世間話から、80日間で世界一周を成し遂げてみせる、という賭をする。賭をしたその日の朝に雇い入れたフランス人執事パスパルトゥーを伴って、東回りの世界一周の旅に出かける、という話。

ヨーロッパを横断して、エジプト、スエズ運河経由でインドへ、さらに香港、上海、横浜、サンフランシスコ、アメリカ合衆国を横断してニューヨーク、リバプール、ロンドンというルート。19世紀中頃には最先端テクノロジーであった、汽船や鉄道を駆使して80日間という短期間(?!)で世界一周を成し遂げようという大冒険。

汽船や鉄道は最先端テクノロジーだが、行く先々の土地はまだまだ未開の地だ。インドでは若くて美しい未亡人のアウーダ夫人を救出し、アメリカではインディアンと戦い、洋上では悪天候に見舞われ、次から次へとありとあらゆる困難が降りかかる。しかし、フォッグ氏は"なんのおどろきもあらわさず"、淡々と旅を続ける。

フォッグ氏と他の登場人物たちの対比が時々、吹き出してしまうようなおかしさを醸し出している。冷戦沈着なフォッグ氏に代わってパスパルトゥーが青くなったり赤くなったり激しい感情の起伏を見せるし、アウーダ夫人でさえ、"真っ青になって、すべての血が心臓に逆流して"しまう。

最後はもちろん、ハッピーエンド。潤沢な資金があって、思慕の情を募らせる相手とともに冒険の旅をして家に帰る。すべての旅好きの究極の夢ですね。

1956年映画化。フォッグ氏はデビッド・ニーブン、アウーダ夫人はシャーリー・マクレーン。