2013-07-25

子どもに語るイタリアの昔話 [剣持弘子訳・再話]


イタリアの昔話が集められている本。

過日、ふとラジオをつけたら、J-WAVEで秀島史香さんが「3本のカーネーション」を朗読していた。続きと結末を知りたくて読むことに。

3本のカーネーションはこんな話。美しい3人姉妹がいる家に、紳士に変装した悪魔がやってきて長姉を嫁にもらいうける。悪魔は自分の屋敷に着くと花嫁の胸元にカーネーションを挿し、ある部屋だけは絶対に中に入ってはいけない、という。悪魔が留守の時、長姉は好奇心に負けて入ってはいけない部屋に入ると、そこでは娘たちが渦巻く炎に焼かれていた。炎は花嫁の胸元のカーネーションを焼き、帰ってきた悪魔はそれを見とがめて花嫁を炎の部屋に放り込んでしまう。悪魔は別の紳士に変装して次姉を嫁にもらいうけるが、次姉も長姉と同じ末路を辿り....。そして悪魔は末娘を嫁にもらいうける。はたして.....。

まえがきに、イタリアはオリエントとの交易がさかんだったので、異国情緒のある民話が多い、と書かれている。たしかに、航海に出た商人の息子が主人公の「死人の恩返し」や、魔法のアイテムを探して集める「ものいう小鳥」などはアラビアン・ナイトにありそうな話だ。

お話が進むにつれて、喜び、悲しみ、怯え、笑いの表情を浮かべる子どもたちを見ながら話して聞かせたらとても楽しいだろうと思う。そして私が子どもの時にそうだったように、異国文化への興味と想像の楽しさを子どもたちが人生に取り入れてくれたら、と思う。