2011-06-06

近日公開の超大作?「大統領選」 [NPR]


Original Title: The Hollywoodification Of Presidential Politics

2012年の大統領選に向けて、共和党候補者のドラマティックなCMがテレビ放送されている話。

共和党候補者の1人、ポウレンティ氏のCMは、実際は彼の著作本のCMなのだけれど、歴史的シーンやアメリカ社会の様々なシーンをつなぎ合わせた映像に本人のナレーションがかぶり、緊張感のあるオーケストラ音楽もあいまってハリウッド映画の予告編を思わせるようなドラマティックな仕上がりになっている。

ポウレンティ氏本人を写した映像も登場するが、カメラ目線で語りかけるシーンはなく、ドキュメンタリー映画のように彼が活動しているシーンが挿入されているだけ。

こういう映画的プロモーションビデオ(?)は、2008年にオバマ現大統領が大統領選に使ったのが始まり。世論調査によると80%の有権者が、候補者を知るにはテレビで見るのがもっともよい、と回答している。

映画評論家は、映画ではすでに役者のセリフで魅せる演出から、音楽と映像で観客の五感に訴える演出に変わって来ている、と言っている。

ポウレンティ氏のCMについて言えば、映像なし音楽なしで本人のナレーションだけを聞くと、どこかのパーティ会場で挨拶しているように聞こえる。しかも、誰も聞いていない挨拶。

民主主義には選挙というありがたい制度があるけれど、誰を選ぶのかが問題だ。候補者と個人的に知り合って人物を知ることができないから、どうしてもイメージで判断せざるを得ない。日本のことを言えば、大震災後の総選挙は有権者に責任がかかっている。やはり、ツイッターで情報収集して武装(?)することになるか。一票の格差の是正も急務だ。