2011-04-17

シャレード [スタンリー・ドーネン監督]


おかしくて、こわくて、カッコよくて、キュートな映画。

オードリー・ヘップバーンが演じるパリに住むアメリカ人女性が主人公。友人一家とスキー休暇を楽しんでいる間、富豪の夫はパリ発の長距離列車から突き落とされて死亡する。夫の死とともに正体不明の男たちが現れ、夫が持っていたはずの大金のありかを執拗に問いただしてくる。

ケーリ・グラントが相手役。シーンが変わるごとに名前が変わり、主人公は彼を信用したり、不安を抱いたり、でも彼への恋心は変わらない。ケーリー・グラントは相変わらず飄々としている。観客も彼を信用していいのか常に揺れ動いてしまう。

ヘンリー・マンシーニの音楽がお洒落。ジバンシーの衣装は品のある大人のかわいらしさ。オープニングがアニメーションというのは最近の映画ではあまりみられない。007シリーズぐらいではないか。

それにしてもこの女主人公、オードリー・ヘップバーンが演じているからエレガントだけれど、イケイケのヤンキーガールじゃないかと思う。外国にやってきて素性の知れない男と結婚したり、スキー場で初めて会ったケーリー・グラントに電話ちょうだい、なんて口説いたり。そしてまた得体の知れないケーリー・グラントにすぐ恋してしまったり。

オードリー・ヘップバーンはコメディエンヌとしても素晴らしい。演技力があるだけでなく、人間としても素晴らしいから主人公の自由奔放な生き方に観客は反感を抱くことなく映画にのめりこんでしまう。

1963年制作。