2010-05-18

先進国でも劣悪な炭坑労働環境 [NPR]

Original Title: Mine Probe Examines Airflow, Possible Tampering

今年4月、バージニア州の炭坑で爆発事故があり、29人の坑夫が死亡した。この40年で最悪の炭坑事故とのこと。

事故原因は調査中だが、坑内換気の不備は以前から取り沙汰されていた。炭坑内は石炭の粉塵とメタンガスが充満しやすい環境にあり、十分な換気で粉塵とガスを排気しなければ爆発が起きやすくなる。石炭の粉塵は火薬と同じなのだから。

換気システムについては坑夫たちが会社に苦情を言っていたし、国の炭坑安全衛生局も改善を指導していた。が、会社は改善計画を修正し続け、結局坑内をより危険な状態に変えてしまった。

産業革命の時代ならともかく、21世紀に今回のような大爆発が起きるのは異常だ。この大爆発事故についてはFBIが捜査を始めたとのこと。

天然資源のあるアフリカの途上国では採掘現場は劣悪な環境にあるが、それは国の行政府が機能していないということもあると思う。しかしアメリカのような先進国で、行政が監視しているにもかかわらず採掘現場が劣悪な状態にあるというのは、結局企業にその原因があるのではないか。企業活動は公共の福祉に根ざすべきという流れがきていると思いたい。