2012-04-18

関西文学散歩 京都・近江 [野田宇太郎著]

日本文学に登場する、または文壇に縁の深い京都とその周辺の地を訪ね、元本の文学作品やその作家たちについて語っている。「文学散歩」というジャンルは野田宇太郎が作り上げた、と言われている。

京都関連の文学作品が無数に登場し、様々なエピソードが紹介されている。文学部の教科書といえる本だ。昭和36年2月発行で旧漢字で印刷されている。"学"が"學"になっているなど。

日本文学に詳しくないので国語の教科書に登場しない作家たちについて初めて知ることが多かった。ドナルド・キーン先生が、日本文学は世界に誇れるすばらしい芸術だ、というようなことを言っているけれど、この本を読んで日本文学の奥深さ、層の厚さを知った。

東三本木に文壇関係者が常宿としていた信楽という旅館があったというエピソードも興味深い。女将は当時の政界の有力者と親密な間柄だったという。それから長田幹彦の「祇園夜話」という小説について何度も言及しているので、そのうち読んでみようと思う。

各地を訪れ各作品、各作家についてとても丁寧に語っており、貴重な資料であると思う。がんがん読み進むという本ではない。というわけで、日本文学にもうしわけないのですが、読了せずに半分過ぎたあたりで読むのをやめてしまった。