2011-11-16

ミレニアム2 火と戯れる女 [スティーグ・ラーソン著]


「ドラゴン・タトゥーの女」の続編。

前作でスウェーデン経済界の巨悪を、それぞれのやり方で倒したリスベット・サランデルとミカエル・ブルムクヴィスト。この作品では、リスベットの出生の秘密が明かされ、リスベットを亡き者としようとする者たちと彼女との戦いが始まる。一方ミカエルは、雑誌「ミレニアム」で人身売買の記事を掲載しようとしているが、人身売買組織を追ううちに、リスベットを狙う者たちに辿りつく。

「ドラゴン・タトゥーの女」では、怖いもの見たさをくすぐるプロットで読者はぐいぐい引き込まれていったが、この作品はそういうミステリ成分が希薄。ただし、登場人物たちの背後にある隠された過去を知りたい、という欲求がかき立てられる。

「火と戯れる女」は、スウェーデン社会が抱えている暗黒面がテーマのよう。バルト海を挟んで向かい合う隣国との関係がもたらす暗黒面。冷戦時代はソ連、現在は途上国であるバルト三国。北欧ののんびりした福祉国家、と思いきや人権無視の悪に蝕まれているのだ、ということ。

この作品は唐突な終わり方をする。次の「眠れる女と狂卓の騎士」でストーリーは完結。「火と戯れる女」と「眠れる女と狂卓の騎士」で一つの作品と言えると思う。この作品は前編だ。