2012-05-02

アーティスト [ミシェル・アザナヴィシウス監督]


2012年アカデミー賞作品賞受賞作品。

1920年代末から1930年代にかけて、無声映画からトーキーに移り変わる時代のハリウッドを描いている。

ストーリーは、無声映画の人気俳優がトーキー映画の登場で落ち目になるが、飼い犬と彼が目をかけた女優によって復活を果たす、というもの。とてもシンプルな筋立ての上に"ほぼ"無声映画。台詞はときどき字幕で出てくるだけ。なのだけれど、俳優と犬の演技と演出で観客に様々な感情をもたせてくれる。

無声映画からトーキーへと最新技術で変化する時代をまさに無声と音声で表わしているのが斬新。主演俳優はフランス人だけれど、その他の主要キャラはアメリカ人が演じているから、主演俳優の訛りのある英語を隠すという意味もあるのかもしれない。それでも、製作と監督はフランス人。映画発祥の地、ハリウッドへのレスペクトなくしてこのストーリーにはならなかっただろう。

ヒッチコック映画もストーリーは意外にシンプルだけれど、映画にとってストーリーは複雑にひねった情報過多である必要はないのではないか。映画は、映像と演技と演出を手段にして表現するものだ、ということを再認識させられた。

i-Tunesで予告編を見た時から、名作になるに違いない、と思っていた。特別予告編で、ペピー・ミラーを演じたベレニス・ベジョがダンスシーンのことについてこう言っている。たった2分のシーンのために5ヶ月もレッスンを続けてきたなんて、これぞ映画って感じ、と。