2011-05-21

原始人の頃からゴシップが好き [NPR]


Original Title: Psst! The Human Brain Is Wired For Gossip

人間は原始人の頃からゴシップを聞くことで、敵と味方を見分けて身を守ってきた、という話。

ジャーナル・サイエンスのオンライン版に掲載された論文によると、人間は、ある人物のウワサを聞くと脳が反応してその人を見る目が変わる。

ゴシップはある人物に関する情報であるばかりか、その人に対する感情も左右してしまう。研究チームは更に踏み込んで、ある人物を特定の見方で見るよう仕向けられた二次情報によって、本当にその人物に対する見方が変わるか、について調査した。

研究チームは、脳が異なるタイプの情報にどのように反応するかを見る実験をした。悪いウワサを書き添えた顔写真と良い評判を書き添えた顔写真何枚かを被験者に見せ、その後、左目と右目にそれぞれ異なる画像を見せる装置で顔写真と家の写真を見せた。人は2つの画像を同時に見ることができないから、左目か右目かどちらかが見ている画像に集中しようとする。つまり、より重要と考える画像を見ようとする。

この実験でわかったのは、人の脳は悪いウワサと結びついている人の顔を見ようとするということ。やはりゴシップは対象人物への見方に影響を与えているようだ。

実験結果から、ゴシップ好きはその人の個性なのではなく、人類進化の過程で必要とされていた能力なのだと解釈する研究者がいる。大昔、人類は自分たちにとって脅威となる集団を知る必要があった。だが個人的な経験でそれを知るには時間がかかるので、ゴシップに頼って素早く判断するようにしていたという。別の研究者は、自分より上位の存在のゴシップは優越感を感じさせるものだ、と言っている。

いずれにせよ、古代の昔から人間はゴシップに反応するように出来ているということ。

人のウワサ話をしないのは、肝心な情報を隠しているからなのか、それとも自分自身が対象人物より上位だから優越感を感じる必要がないからなのか。