2012-01-21

ナバロンの要塞 [J・リー・トンプソン監督]


スリル、サスペンス、冷酷、友情、裏切り、ユーモア、恋。全ての要素がうまく配分されている。手に汗握った!

グレゴリー・ペックがクールだが人間味のある人物を演じていて、ホントかっこいい。一方、爆発物専門家のデビッド・ニーブンのおかしさがスパイスとなってドラマに深みを与えている。もちろん、アンソニー・クインの渋さとかわいさも魅力だ。

男性映画かと思うが、ギリシアの抵抗軍ゲリラの女性たちの活躍も生半可でない。イレーネ・パパスが演じるマリアは強く、迷いがなく、人間として美しさを感じさせる。

敵役であるドイツについては、ドイツ軍将校を誇りある存在として描く一方、ナチの冷酷さを強調している。

「ナバロンの要塞」で、イギリス軍の作戦は成功して、映画としてはハッピーエンドだけれど、作戦遂行の陰で戦死していったドイツ兵もいるわけで、郷里で死亡通知を受け取った家族にしてみれば、見張りをしていて殺されたなんて、ひどい。戦争は理不尽だ。

1961年制作。