2011-03-14

視覚に障害があっても人生を楽しもう [NPR]


Original Title: Blindness No Obstacle To Those With Sharp Ears

視覚障害者の生活支援団体を設立した全盲の人の話。

視覚に障害のある人でも自然の中で過ごしたり、音楽を聴いたり演奏したり、世界中を旅したりする人は多いが、この人は自転車にも乗ってしまう。

物心ついた時からエコーロケーションというコウモリの原理を使った機器を使って一人で行動している。機器から発した音波が周囲にある物体に反射して、その距離に応じて異なる高低の音をたてる。クリッククリックという、薄い板を叩き合わせるような音がしている。

盲人(失礼)なんだから一人で遠くに行かない方がいい、と人は言うけれど、それは「普通の人の考え方」で、盲人は「普通」じゃないのだからそんな論理はあてはまらない、とこの人は言っている。障害ゆえの環境、状況を受け入れつつも、「普通の人の考え方」からはみ出していきたいと。

たとえば、脳梗塞で歩行機能と視覚機能を失った男の子は車椅子と介助者がなければ外出することができなかったが、この全盲の活動家の提案で、ハイキング用ストックと杖を使って一人で移動できるようになった。エコーロケーションを使ってさらに無理なく動き回れるようにもなった。

障害者の活動範囲を広げるこの活動に対して批判もある。でも賛同者、協力者も多い。活動を通して視覚障害者とその家族に消費者としての力を取り戻させたいとのこと。

「普通の人の考え」からはみ出して活動範囲を広げていく。ポジティブな精神を持てば状況は打開していくのですね。