2011-03-26

ある日どこかで [ヤノット・シュワルツ監督]


余韻に浸ってしまう映画。

1972年、芝居の打ち上げ(?)パーティで、この芝居で劇作家としてデビューしたリチャードに老女が懐中時計を手渡し、「私のところに戻ってきて」と言って去っていく。この9年後、人気劇作家となったリチャードはスランプに陥り、湖畔の有名ホテルへ気晴らしに出かける。そこで1910年代の女優の写真を見て恋に落ちてしまう。調べると、この女優は9年前に彼に懐中時計を手渡した老女と同一人物だった。1912年の彼女に会うべく、リチャードはタイムトラベルを試み、70年前の彼女と再会を果たす。

クリストファー・リーブがギリシア彫刻のような美青年。でもこの荒唐無稽なストーリーを観客に納得させてしまう素晴らしい演技。女優役はジェーン・シーモア。とてもきれいな、でもユーモアと哀愁と情熱を感じさせる女性。衣装が素晴らしい。白いレースのワンピースドレスが似合っていた。どこかで見た人だなと思ったらテレビドラマ「西部の女医ドクター・クィン」だった。

音楽はジョン・バリー。1970年代と1910年代の雰囲気の違いをよく表わしている。ロマンチックでドラマチックな音楽。

公開当時はそれほどヒットしなかったらしいが、深夜映画などで人気が出てきたとのこと。SF映画か、と思ってしまうのだけれど、観た後ずっと余韻に浸ってしまうロマンチックな恋愛映画。

1980年制作。クリストファー・リーブは 1995年に落馬事故に遭い、2004年に死去している。