2010-03-14

ショウほど素敵な商売はない [ウォルター・ラング監督]


感動で涙ぐんでしまった。

舞台芸人ドナヒュー一家の物語。夫婦二人きりのショーから始まり、長男、長女、次男が誕生。子育ての苦労も少し描かれ、成人した子どもと夫婦による家族5人のショーに発展、そこから子どもたち一人一人の自立とドラマが描かれていく。

ドナヒュー一家のショーのシーンは客席で見ているよう。ショーの出し物とドラマが見事に絡んでいて、見ていて涙ぐんでしまった。一家の物語というと途中だれてしまいがちだが、この作品はそこにショーを持ってきてテンポが落ちないようにしている。

マリリン・モンローが次男の思い人として登場する。この作品でのモンローは、美貌を武器にしたたかにのし上がっていくのだけれど、もろさ弱さも併せ持った女性を演じている。

子どもが親と同じ生き方をして親と同じような家庭を持つ一族というのは、それだけで十分幸運すぎるんじゃない?

1920年代から1940年までのアメリカのショービジネスを描いているのだけれど、こんなに豪華な衣装、舞台装置、観客数。同じ時代の日本に比べたら格段に豊かで余裕のある社会だ。自分の実力以上のことをやろうとしたらだめだと吉本隆明が言っているのは本当ですね。