2011-07-10

スパイだった料理研究家 [GOOD FOOD]


Original Title: Julia Child Before She Was Julia

2009年12月に公開された映画「ジュリー&ジュリア」の主人公の一人、ジュリア・チャイルドの伝記本の話。

ジュリア・チャイルドはアメリカでは元祖料理研究家、とみなされているが、料理研究家として有名になったのは中年になってから。それまで彼女が何をしていたのかというと、軍事戦略局で働いていた。スパイ、というよりスパイの後方支援の仕事をしていたよう。

ジュリア・チャイルドはカリフォルニアの裕福な牧場主の娘として生まれ、大学進学したが卒業後は故郷に帰らず、まぁ、フラフラしていた。何かが起きると期待していたのに何も起こらないまま時が過ぎていく中、第二次世界大戦が始まる。

折から、のちにCIAとなる軍事戦略局は、人材不足を補うために有名大学卒で自立している旅好きで勇気のある若者なら未経験者であっても採用していた。ジュリアはワシントンでリクルートされ軍事戦略局の職員となる。

当初していた仕事は、リサーチの手伝い、海に落ちたパイロットの救出作戦、極秘書類に関する書類仕事など。でも、カリフォルニアの田舎から出てきた若い女性にとっては、情報局での仕事は、海外に出かける機会があり、個性的な同僚と知り合い、、かなり視野が広がったよう。夫となるポールと出会ったのも軍事戦略局での仕事を通じて。スリランカで出会ったポールはパリに長く住んでいた局員で、彼女と料理を結びつけるきっかけとなった。

パーティ・ガールから情報局員、そして料理研究家。3回人生を生きたようなものですね。