山口瞳、開高健、さすがに文章がうまい。おもしろい!
ちょっと出だしを読み始めたら引き込まれてどんどん読んでしまった。
山口瞳、開高健が執筆したサントリー社史。山口瞳は創業から終戦までの「寿屋」と鳥井信二郎を描いている。赤玉ポートワインの成功で寿屋が資本を蓄積し、ウィスキー製造に乗り出した経緯。開高健は、戦後、佐治敬三ががビール製造を始め、事業として安定させるまでの道のりを描いている。
鳥井信二郎の「やってみなはれ」が人々を鼓舞し、会社を大きくしたことがよくわかる。商人としてイケるかどうかの判断はあったと思うけれど、「やってみなはれ」という一言だけでみんな一所懸命がんばれるものだと思う。「やってごらん」は後で「ほーらね」と言われそうな気がするけれど「やってみなはれ」には期待が感じられる。応えなくては、と頑張る力が湧いてくる。
これを読んで赤玉ポートワインを飲みたくなってしまった。今は赤玉スゥイートワインというのですね。酒屋にちゃんと置いてあった。甘い!でも葡萄の香りがしておいしい。去年100周年だったらしい。1世紀、製造し続け販売し続けるサントリー、やっぱりエライな。