2009-10-09

米医療制度のガンは医者にあるのかも [NPR]


Original Title:The Telltale Wombs Of Lewiston, Maine

オバマ政権は国民皆医療保険制度を設立しようとしているが、反対派が激しい論戦を繰り広げている。医療費が高すぎることが医療保険制度設立の大きな障害になっているのでは、と考えたNPR記者が取材を重ね、アメリカの医療費が高いのは医者に原因があるようだ、と問題提起している。その背景には、ある意味経済学的要因が絡んでいる。

高額な医療費の原因は医者にあるという結論は、ある研究者の気の遠くなるような膨大な量の調査が貢献している。1970年代、ウェンバーグという研究者が、ある1年間のメーン州のすべての町のカルテをすべて集めて、それを分析した。

ところで、NPRの一つの記事はたいてい5分から10分の長さなのだが、この記事は21分46秒という異例の長さ。結論に至るまでの経過も興味深いのだが、それを端折って結論をいうと、町に医者の数が多いと患者が支払う医療費は高くなる傾向があるということ。

供給が多ければ価格は下がるはずだが、この場合は供給側が収入を維持するために価格を上げているのだ。その方策はたいていの場合、高額の治療を頻繁に施すということ。高額の治療は必ずしも患者に必要な治療とは限らない。さらに!頻繁に治療を受けている患者の余命は短くなる傾向があるとのこと。

日本の保険制度も満足いくものではないけれど、米国医療保険も再考していいのではないでしょうか。それから、医者の言うことを鵜呑みにしていいのか。自分の体のことは自分で管理しなければ。