2011-06-14

十二人の怒れる男 [シドニー・ルメット監督]


三谷幸喜氏がいつも絶賛しているので観ることに。素晴らしい!スバラシイ!!すばらしい映画だ!!!!!

12人の陪審員が、父親殺しの容疑をかけられた移民少年の審議をするという話。ほとんどのシーンが審議室という閉鎖された空間。ヘンリー・フォンダ演じる陪審員8番が、少年は本当に有罪だろうか、と疑問を呈するところからストーリーが転がり始める。

犯行再現シーンは全くないが、俳優達の演技が素晴らしく、本を読んでいるように、犯行現場がまざまざと目に浮かんでくる。"場"は変わらないのに緊張感が途切れない、というか真相に近づくにつれてどんどん緊張感が増してくる。

12人の男たちの台詞が映画を進行させているわけだけれど、この台詞にアメリカ社会が抱える、アメリカ人男性が抱える問題が露わになっている。罪を問われているのは容疑者なのに、陪審員のうちの何人かは心の中に抱える闇を糾弾されているかのように自分を追い詰めていく。

カメラワーク、音楽も素晴らしい。すべてが計算し尽くされている。何度観ても新たな発見があって、色々な角度で楽しめる映画だ。これは孤島に持って行く映画ですね。