読んだ本と、映画館で観た映画の記録をつけています。
おもしろかったポッドキャストの記事の紹介も。ポッドキャストは、NPR:Story of the DayとKCRW:GOOD FOODから。
コピー&ペースト等転載はお断りします。
2011-06-27
ニューヨーク州、同性結婚を認める6番目の州になる [NPR]
Original Title; In New York, A Celebration Of Gay-Marriage Law
ニューヨーク州が同性結婚を認める全米6番目の州になった。これを祝って6月26日にニューヨーク五番街をミッドタウンからグリニッチ・ビレッジまで、数千人がパレードした。同性愛者だけでなく、異性カップルとその子どもたちも参加して、同性カップルの友人たちが正式に結婚できるのを祝った。
パレードに参加した活動家の中には、連邦政府が同性結婚を認めるまで活動は続けなくては、と考えている人もいる。
ニューヨーク州の同性結婚法は7月23日に施行された。この日の午前零時に結婚式を挙げた同性カップルは多数いるよう。NPRは7月24日の記事でナイアガラ滝で挙式した50代の女性カップルを取り上げている。
ハーバード白熱教室のサンデル教授は講義で、裁判所は同性結婚を、「公式な承認という形で結婚を名誉あるものとして祝福し、肯定している」と述べている。ニューヨーク州のすべての成人が"パートナーに対する恒久的な約束"を公式に認められることになり、おめでとう。けれど、どんな形であれ、恒久的な約束を取り交わせるパートナーと共に生きている、ということがすでに名誉な、祝福されていることだと思います。どのような形であれ。
2011-06-26
情婦 [ビリー・ワイルダー監督]
マレーネ・ディートリッヒの横顔が美しい。
人間の、というか女の弱さ、強さ、醜さ、美しさ、愚かさ、傲慢さ、すべての感情が詰まっている。それは原作者アガサ・クリスティが描き出したものなのだけれど、トリックの背景として女のドラマを置いたのか、女のドラマを描くためにトリックを作り出したのか。
老弁護士を演じたチャールズ・ロートンが素晴らしい。厳格で、権威的で、強情で、しかし人情とユーモアとかわいらしさを感じさせる。弁護士事務所のスタッフがロートン演じる弁護士を迎え入れる冒頭シーンの嬉しそうな様子は、この人物が本当に尊敬され愛されていることを表しているけれど、ロートン自身が納得できるように演じている。
この映画について語るとどうしてもネタばれになってしまうのだけれど、いつもラストシーンに老弁護士とお節介看護婦の恋の始まりを感じるのですよね。
1957年制作。
<以下、ネタバレの上での感想>
タイロン・パワー演じる容疑者ボールが、老弁護士の反射光によるテストに難なく合格して、弁護を担当してもらうのだけれど、光を当てられた目は義眼だった、というオチがあったと思う。映画にはそれはなかったが、クリスティの原作に書かれていたのだろうか。タイロン・パワーはこの映画の翌年に亡くなっていた。
マレーネ・ディートリッヒは、駅でのシーンを除いてどのシーンでもマレーネ・ディートリッヒとしてスクリーンに登場している。演じているクリスティンではなくて、マレーネ・ディートリッヒとしてしか見ることができなかった。
弁護士事務所を訪れる時、証言台に立つ時の毅然とした物腰。ベレー帽の被り方がイキだ。戦争中のベルリンの酒場で歌姫として現れる時。破られたズボンから剥き出しだ脚の美しいライン。無罪となった夫にしがみつく時の恋する女の哀れさ。裏切られたことを知った時の絶望、自暴自棄。どのシーンでもマレーネ・ディートリッヒが美しくスクリーンに映っている。マレーネ・ディートリッヒはマレーネ・ディートリッヒ以外として存在できない女優なのかとも思わされる。
だが、裁判が終わったラスト、マレーネ・ディートリッヒがどんなにすごい女優なのか、観客は思い知る。
とろ〜りスクランブルエッグの夕食 [GOOD FOOD]
Original Title: Eggs for Dinner
卵料理は朝食、と考えてしまうが、夜遅く帰宅した時など、簡単に作れる卵料理はとても助かるもの。ここでは夕食にうってつけの卵料理を紹介している。
シェフ・スクランブルエッグ。1/4カップの冷やしたバターをフライパンに入れ、卵3個分の卵液を入れて、弱火で加熱。コツは卵が透き通ってきたら冷やしたバターをさらに入れること。卵の温度を下げることでクリーミーな仕上がりになる。これにコショウを振ってサラダを添えれば立派な一品の出来上がり。
クルトン目玉焼きもなかなか豪華。フライパンにオリーブオイルをたっぷり入れ、そこにちぎったパンを投入してクルトンを作る。パンに焦げ目がついたら、卵をその上に割り入れて焼く。クルトンに黄身が絡まったところは特においしい。サラダを添えれば栄養バランスもよい。
森光子さんは卵好きで、1日に3個は食べると聞いたことがある。私も卵好きで、いつも農家に生みたて卵を買いに行ってます。
2011-06-25
伝説のコロンボ、83才で没す [NPR]
Original Title: Peter Flak, TV's Legendary 'Columbo,' Dies at 83
6月23日になくなった俳優ピーター・フォークの追悼記事。
「コロンボ刑事」以前、ピーター・フォークは数々の映画に出演し、アカデミー賞にノミネートされたこともある。ニューヨークで育ち、3才の時に癌にかかり眼球を摘出。大学卒業後は役所勤めしたが、俳優に転身。オフブロードウェイの舞台に立っていた。
コロンボ刑事を演じてからは、俳優ピーター・フォークといよりコロンボとして知られるようになった。かつてそのことについてどう思うかと聞かれて「別にガンじゃないからね」と答えている。
ピーター・フォーク追悼で、「刑事コロンボ」の何話かが日本でも再放映された。犯人役のゲスト俳優が豪華だ。実力のある役者を揃えたのもこのドラマの成功要素と思う。今回の再放映を見て、日本語版も犯人役のゲスト俳優の吹き替えに日本人の実力派俳優を配している。
日本語版は小池朝雄氏の吹き替えが絶妙で永遠の名作テレビドラマとなった。小池氏を抜擢したNHKプロデューサーの功績も大きいですね。
2011-06-24
数学のユーチューブ先生 [NPR]
Original Title: Math Videos Go From YouTube Hit To Classroom Tool
ユーチューブで配信されている数学の学習ビデオが、教育現場で活用されている話。
ヘッジファンドに勤めていたサルマン・カーンという人が、いとこの数学家庭教師をしたのをきっかけにユーチューブに数学学習のビデオをアップ。そのビデオが大人気となって、カリフォルニア州では、カーン・アカデミー(Khan Academy)の番組を高学年の数学クラスで利用する試みを始めた。カーン氏は、会社を辞めて今はフルタイムで数学学習ビデオに取り組んでいる。
生徒たちはゲーム感覚で問題に取り組んでいて、暇さえあれば数学を勉強するようになっているよう。
学校の先生たちの評判も上々。中程度に理解できる生徒たちへの指導をビデオに助けてもらうことで、先生たちはよくできる生徒とできない生徒たち時間を割くことができる。カーン・アカデミーには、先生たちのiPadに生徒の学習到達度のグラフを表示させるプログラムまである。
さっそくユーチューブでカーン・アカデミーの学習プログラムを見てみた。わかりやすい!説明は丁寧だが、展開が遅すぎることはなく、しかも数式の解き方の区切りが適切。基礎の説明からちょっとひねった応用まで説明して終わる。短すぎず、長過ぎず。英語もわかりやすいし、ちょっとユーモアを感じる。
名前からしてカーン氏はインド系のよう。インド人、本当に数学に強いのですね。正真正銘の実力と底力がある。
中学の時にこのビデオがあったら、人生は違ったものになっていたかもしれない、と思う。
2011-06-21
塀の中の刑務所大学 [NPR]
Original Title: Inside San Quentin, Inmates Go To College
カリフォルニア州の悪名高きサン・クエンティン刑務所の中に非営利団体が運営する大学が設立され、受刑者が学位を取得している話。
1996年に2人のボランティアによって始められたこの大学は、今では320人の受刑者学生が在籍し、3000人以上の地域ボランティアと100人以上のボランティア講師が、70近いプログラムを指導している。講師はUCバークレーやスタンフォード大学、サンフランシスコ州立大学などの一流校の教員。運営する非営利団体は独立した基金を持ち、行政からの資金には全く頼っていない。
受刑者が高等教育を受けることに異論はあるが、大学教育が受刑者に深く影響を与えていることはたしか。
窃盗と殺人で収監されている受刑者学生の1人は、自分たちは出口のない泡の中に閉じ込められているが、大学で学ぶことで自分自身は変わってきた、社会人として出所したい、と言っている。もし、自分がここで教育を受けなかったら、刑期を終えても犯罪者として出所することになっただろう、と。
別の受刑者学生は、学ぶ場があるのは受刑者にとってとても意味がある。することがなかったら暴力に走るしかないからだ、と言っている。
たしかに、刑務所大学ができてから、サン・クエンティンでの受刑者の服役態度は改善され、騒動がなくなってきたし、出所者の再犯率も低下しているよう。サン・クエンティンは今では静かなる刑務所となっている。
受刑者が犯罪者となったのは、貧困ゆえの低学歴、失業が大きな要因であり、それは次の世代へと引き継がれている。受刑者の子どもの半分は親同様に刑務所行きだ。運営団体は、刑務所大学が負の連鎖を断ち切るようになれば、と考えている。
更生プログラムの予算を60%も削減した州政府も、サン・クェンティンの刑務所大学の動向を注視しているよう。
自分は泡の中に閉じ込められている、と気付いた時点で、壁に穴は開いているのですよね。それは受刑者だけでなく、誰にとっても同じだと思う。
サン・クエンティンの受刑者学生は、もし育った環境が異なっていたら犯罪者にはならなかった人たちなのではないか。そんな人たちがサン・クエンティンだけで320人もいるということは、アメリカの社会自体が国民を犯罪に走らせているように思える。
2011-06-14
十二人の怒れる男 [シドニー・ルメット監督]
三谷幸喜氏がいつも絶賛しているので観ることに。素晴らしい!スバラシイ!!すばらしい映画だ!!!!!
12人の陪審員が、父親殺しの容疑をかけられた移民少年の審議をするという話。ほとんどのシーンが審議室という閉鎖された空間。ヘンリー・フォンダ演じる陪審員8番が、少年は本当に有罪だろうか、と疑問を呈するところからストーリーが転がり始める。
犯行再現シーンは全くないが、俳優達の演技が素晴らしく、本を読んでいるように、犯行現場がまざまざと目に浮かんでくる。"場"は変わらないのに緊張感が途切れない、というか真相に近づくにつれてどんどん緊張感が増してくる。
12人の男たちの台詞が映画を進行させているわけだけれど、この台詞にアメリカ社会が抱える、アメリカ人男性が抱える問題が露わになっている。罪を問われているのは容疑者なのに、陪審員のうちの何人かは心の中に抱える闇を糾弾されているかのように自分を追い詰めていく。
カメラワーク、音楽も素晴らしい。すべてが計算し尽くされている。何度観ても新たな発見があって、色々な角度で楽しめる映画だ。これは孤島に持って行く映画ですね。
2011-06-12
アメリカ合衆国の飢餓人口 [GOOD FOOD]
Original Title: No Kid Hungry
アメリカ合衆国から飢餓をなくす活動をしている非営利団体の活動の話。
今年3月に、4000人が参加する全米規模の断食が行われた。これは上院に対して飢餓対策の予算削減を見直すようアピールするイベントだったのだが、結局貧困層の飢餓対策から25億ドルが削減された。
アメリカの飢餓人口は約5千万人、そのうち1700万人が子どもで、4人に1人の子どもが飢えていることになる。
しかし番組の話を聞いていると、連邦政府から飢餓対策に10億ドルが拠出されており、とりあえず予算は足りているよう。問題は、対象者と救済プログラムの間に障害があって、利用されないままであることらしい。たとえば、学校が朝食給食サービスを提供していても、貧困層の子どもたちは学校までの交通手段がないので、やっと学校に着いた時には朝食サービスが終わっているとか。サービスは貧困層のために実施されているから、利用しているのを知られるのは恥ずかしいとか。
この非営利団体は、対象者とプログラムの間にある障害を取り除く活動を積極的に進めていて、その一つとして朝食を教室で食べるプログラムを実施。朝食を摂ることで、子どもたちの試験の点数があがり、病気にもかかりにくくなったとのこと。
大都市ほど飢餓人口は多いよう。
コーヒーじゃないコーヒー [GOOD FOOD]
Original Title: Coffee Alternatives
コーヒー豆ではないものから作るコーヒーについての話。
コーヒーは、コーヒーの実の種を焙煎し、それを挽いたものにお湯を注いで作るが、コーヒーの実の果肉でもコーヒーをいれることができるよう。果肉部分を干したものはカスカーラと呼ばれ、お茶のようにお湯の中にしばらく置いてからカップに注ぐ。コーヒーの味わいに加えてチェリーやリンゴのような風味もあるとのこと。
コーヒー産地の人々は昔から果肉をカスカーラにして飲んでいたけれど、殆どの果肉は捨てられていた。廃棄物を利用してもっと利益を出そう、ということもあって、最近カスカーラ茶はあちこちで市販されるようになっている。カスカーラにもカフェインは含まれている。
他に有名なコーヒーでないコーヒーといえばタンポポ。愛媛県松山市にある伊丹十三記念館のカフェでタンポポコーヒーを飲んだことがある。風味と色はまさにコーヒーだがタンポポコーヒーはカフェインは含まない。しかし「世界を変えた6つの飲み物」によれば、カフェインを含むから人々はコーヒーを嗜好してきた。
番組ではチコリコーヒーの話も出た。普通のコーヒーにチコリを加えたもの。米南部ニューオーリンズでよく飲まれている。その昔コーヒーが品不足だった時に代替品として使われたのが始まりだそう。しかいチコリコーヒーはスパイシーな独特の香りと味わいがある。リンカーン大統領がニューオーリンズを訪れた時のエピソード。ホテルにあるすべてのチコリを集めさせ、このほかにチコリはないね、ということを確認してから大統領は「では、コーヒーをいれてくれ」と言ったという。
2011-06-11
南三陸町ボランティア
南三陸町へボランティアに行ってきました。
9日(木)午前7時に北千住を出発。宮城県南三陸町のボランティアセンターに到着したのは午後1時半頃でした。ボランティアセンターで受付をした後、この日は写真洗浄に従事。午後4時頃作業を終え、テント設営、お風呂、夕食。午後9時前には就寝。この日の午後11時頃、激しい雷雨!!!
10日(金)は午前9時にボランティアセンターへ出勤(?)。写真洗浄ではなく、志津川高校の体育館で支援物資の仕分けに従事。子ども靴をサイズ別に仕分けしました。午後4時に作業終了。テントに戻ってお風呂、夕食。午後9時には就寝。ちなみにお風呂は熊本自衛隊による「火の国の湯」。無料です。のれんをくぐって中に入るとすぐに脱衣場、その奥に浴槽。浴槽の回りは洗い場で、浴槽から湯を汲んで髪を洗いました。
11日(土)。未明から激しい雨!!!テントが雨漏り、水浸し状態。午前8時半頃ボランティアセンターに出勤。土曜日とあってボランティアの人数が一番多くて、事務局によるとこの日は130人位来ているとのこと。ガテン系の仕事をしたいという希望が聞き入れられ、馬場中山生活センターでのガレキの分別収集に従事。雨は午後には止み、快晴!
作業は午後4時頃終了。午後5時頃テントを撤収し、「火の国の湯」に入って汗を流してから、帰京の途に着きました。出発が遅かったので、東京着は翌日12日。
何でも行ってみて、見てみるもんだ、と思いました。ただしボランティアは謙虚な気持ちで。今回一番印象に残ったのは「職業ボランティア」という存在がある、ということ。一番考えさせられてます。
2011-06-07
バクマン [大橋つぐみ原作 小畑 健漫画]
面白い!!!中学3年生の男子2人が、原作と作画のコンビで一流の漫画家を目指す話。1巻から10巻まで一気読みした。
作画担当のサイコーのおじさんがジャンプ掲載の漫画家だったということで、漫画家へのハードルがやや低くなっているけれど、ストーリーテリング、絵の構成について2人が色々なことを吸収してぐんぐん成長していく様が描かれている。
時間を無駄にしていないよ、この2人は。10巻までの間に中学を卒業して高校を卒業して大学生になっている。その間にコンビとしての危機、漫画家として挫折、担当との確執など、次から次へと起こる人間ドラマが2人を成長させている。
ライバルに1才年上の天才マンガ少年が登場。敵対関係になるのかと思いきや、ライバルと書いて「なかま」とルビをふるようなかかわり。(青年となった)少年たちが主人公なのだけれど、脇役を務めるジャンプ編集部の編集者たちが魅力的だ。人生の先輩として、仕事の先輩として2人を引っ張ったり掻き回したりしている。特に服部哲氏に一番わくわくさせられる。
ここに登場する全員が「漫画」に自分を捧げている。知力、体力、時間、金、全てを捧げている。漫画は日本の文化だ、などと政治家や役所に安易に言ってもらいたくないねって感じ。
作画担当のサイコーのおじさんがジャンプ掲載の漫画家だったということで、漫画家へのハードルがやや低くなっているけれど、ストーリーテリング、絵の構成について2人が色々なことを吸収してぐんぐん成長していく様が描かれている。
時間を無駄にしていないよ、この2人は。10巻までの間に中学を卒業して高校を卒業して大学生になっている。その間にコンビとしての危機、漫画家として挫折、担当との確執など、次から次へと起こる人間ドラマが2人を成長させている。
ライバルに1才年上の天才マンガ少年が登場。敵対関係になるのかと思いきや、ライバルと書いて「なかま」とルビをふるようなかかわり。(青年となった)少年たちが主人公なのだけれど、脇役を務めるジャンプ編集部の編集者たちが魅力的だ。人生の先輩として、仕事の先輩として2人を引っ張ったり掻き回したりしている。特に服部哲氏に一番わくわくさせられる。
ここに登場する全員が「漫画」に自分を捧げている。知力、体力、時間、金、全てを捧げている。漫画は日本の文化だ、などと政治家や役所に安易に言ってもらいたくないねって感じ。
2011-06-06
近日公開の超大作?「大統領選」 [NPR]
Original Title: The Hollywoodification Of Presidential Politics
2012年の大統領選に向けて、共和党候補者のドラマティックなCMがテレビ放送されている話。
共和党候補者の1人、ポウレンティ氏のCMは、実際は彼の著作本のCMなのだけれど、歴史的シーンやアメリカ社会の様々なシーンをつなぎ合わせた映像に本人のナレーションがかぶり、緊張感のあるオーケストラ音楽もあいまってハリウッド映画の予告編を思わせるようなドラマティックな仕上がりになっている。
ポウレンティ氏本人を写した映像も登場するが、カメラ目線で語りかけるシーンはなく、ドキュメンタリー映画のように彼が活動しているシーンが挿入されているだけ。
こういう映画的プロモーションビデオ(?)は、2008年にオバマ現大統領が大統領選に使ったのが始まり。世論調査によると80%の有権者が、候補者を知るにはテレビで見るのがもっともよい、と回答している。
映画評論家は、映画ではすでに役者のセリフで魅せる演出から、音楽と映像で観客の五感に訴える演出に変わって来ている、と言っている。
ポウレンティ氏のCMについて言えば、映像なし音楽なしで本人のナレーションだけを聞くと、どこかのパーティ会場で挨拶しているように聞こえる。しかも、誰も聞いていない挨拶。
民主主義には選挙というありがたい制度があるけれど、誰を選ぶのかが問題だ。候補者と個人的に知り合って人物を知ることができないから、どうしてもイメージで判断せざるを得ない。日本のことを言えば、大震災後の総選挙は有権者に責任がかかっている。やはり、ツイッターで情報収集して武装(?)することになるか。一票の格差の是正も急務だ。
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