2011-04-18

ピューリッツァ賞を狙うロボット・ジャーナリスト [NPR]


Original Title: 'Robot Journalist' Out-Writes Human Sports Reporter

試合のデータを入力すると新聞に掲載されているようなスポーツ記事を出力する「物語科学」というプログラムの話。

ロボット・ジャーナリストと呼んでいるが、実際はソフトウェア。ノースウェスタン大学の研究チームが開発したプログラムで、研究チームは600万ドルの資金を集めて、このプログラムで起業した。しかし人間ジャーナリストは、ロボット・ジャーナリストに対して懐疑的。

大学スポーツのウェブサイトに掲載されたある野球記事の出来があまりに悪く、これはロボットが書いたのじゃないかと評されたことがあった。投手が完全試合をやってのけたのに、完全試合についてはそっちのけの記事だったのだ。しかしこの記事を書いた記者は、人間だった。

これを知った「物語科学」の開発者たちは、汚名挽回のためロボットに同じ試合についての記事を書かせた。素晴らしい記事が出力され、ロボット・ジャーナリストを馬鹿にしていた人たちもその文章能力を認めないわけにはいかなくなった。

ロボット・ジャーナリストは、野球、フットボール、バスケットボールとスポーツ記事から始めて、株式市場、不動産、地下鉄案内など守備範囲が広がっている。今後は何でも記事にできるようしていきたいとのこと。開発者は、ロボット・ジャーナリストのピューリッツァ賞受賞も夢じゃない、と言っている。

たしかに、素人の文章を読んでいるとイライラすることがしばしばある。最近の記者の中にはブログ感覚で原稿を書いているんじゃないか、と思える人たちも。ロボット・ジャーナリストの方が文章がうまいというのは否めないが、結局ネタあつめや視点は人間が考えているのですよね。それに、ロボットは電気がないと動けないから機動性の点で問題あり。機動性ってジャーナリズムの根幹ではないか。