読んだ本と、映画館で観た映画の記録をつけています。
おもしろかったポッドキャストの記事の紹介も。ポッドキャストは、NPR:Story of the DayとKCRW:GOOD FOODから。
コピー&ペースト等転載はお断りします。
2010-11-28
映画館で何を食べるか [GOOD FOOD]
Original Title: Movie Theater Etiquette
食のエチケットについてのコラムニストと映画館での食べ物について話している。
コラムニストは映画館には家からスナックを持ち込むと言っている。映画館は外部で買った食べ物を持ち込まないように、と言っているが、なんせ高い。
映画館の食べ物が高いのは、映画館が映画で収入を得ることが難しくなっているから。まずテレビの登場で映画館の観客数が減ったし、今はDVDと大画面テレビでますます減っている。本業からの収入を期待できないので、副業の食べ物で収支を合わせようとしているとのこと。
それにしても、映画を観ながらの食べ物はどうしても限られてしまう。音がしないこと、臭いがしないこと、となるとやっぱりソフトドリンクと紙容器に入ったポップコーンに尽きるよう。番組ホストは、映画館で買ったポップコーンに家から持って来たレーズンを入れて食べていると言っている。しょっぱさと甘さが混在して、しかも音も臭いもしなくていいアイデア。
音がしないレジ袋、包装用紙に入った食べ物なら許せるが。なぜレジ袋はあんなにうるさい音を立てるのか。
2010-11-27
1足につき1足寄付する靴屋 [NPR]
Original Title: 'Soul Mates': Shoe Entrepreneur Finds Love In Giving
お客が靴を1足買うごとに途上国へ靴を1足寄付する靴屋の話。創業者はこの記事が出た時点でまだ32才。すでに5つの事業を興し、スミソニアン財団から賞も受けているいわゆる社会起業家。
創業者のマイコスキー氏は、アルゼンチン側のブラジルとの国境の村を旅している時にこの事業を考えついた。裸足で暮らしている子どもたちに靴をあげたい。子どもたちは、水汲みの往復も学校へ行くのも裸足で暮らしている。靴は生活に劇的に変化をもたらすはず。
それで、マイコスキー氏はアルゼンチンの伝統的な履き物、アルパルガータの職人に弟子入りして、靴作りを始めた。アルパルガータはエスパドリュみたいな靴で、麻ロープの靴底に帆布で甲の部分を覆ったもの。
ロサンゼルスに戻って、お客が靴を一足買う毎にアルゼンチンの村の子へ靴を1足寄付する、という靴屋を起業。始めは250足を目標にしていたが、今は中南米諸国、南アフリカ、エチオピア、ハイチへも寄付するまでに拡大している。
マイコスキー氏のトムズという靴屋の靴はアルパルガータの形をしているけれど、靴底はゴムで素材はもっと洗練されている。値段は50ドル位から。50ドルで洒落た靴を買えてしかも寄付もできるというのは、国際協力に関心のある人たちには魅力的だと思う。クリントン元大統領もトムズの靴をよく買っているとのこと。
ビジネススキルを社会改善に役立てようというこういう社会企業家が増えているよう。靴屋といえばザッポスが今話題になっているが、トムズもお客にワオ!を提供していますよね。
2010-11-26
需要が押し上げるコーヒー豆の値段 [NPR]
Original Title: Amid Rising Demand, Price Of Coffee Beans Soars
コーヒーの生豆の値段がこの1年で50%以上値上がりしているという話。要因はいくつかある。
BRICsといった新興国での消費が増加しているのもその一つ。ブラジルは世界一のコーヒー豆生産国だったけれど、すぐに米国以上の消費国になりそうな勢い。なのにコーヒーの植樹は増えていない。たとえコーヒーの植樹が増えているとしても、収穫できるまで育つのに5年はかかる。
インドでの消費も増えている。たしかに、インドにはインドの「スターバックス」といえるバリスタというコーヒーショップチェーンがあり、小金持ちのスノッブなインド人にとってバリスタでコーヒーを飲むのは一種のお洒落のようだ。
中国の中流化が進めば、中国人の食の西洋化がすすみ、コーヒーの消費はうなぎ上りになるはず。
需要が高まれば価格が上がるわけで、そこに目を付けた先物取引も盛んになっている。こうした先物取引が価格を押し上げているもう一つの要因。
コーヒーの値段が上がれば、人々はスターバックスのようなコーヒーショップでコーヒーを買うのを控えるようになるし、買ってもショートサイズにするでしょうと言っている。コーヒーショップ業界にとっては痛手。私も職場ではスターバックスでコーヒーを買わずに、自分でドリップして淹れている。
2010-11-22
闇の傀儡師 [藤沢周平著]
藤沢周平作品を初めて読んだ。
将軍徳川家治の時代に、世継ぎをめぐって暗躍する謎の組織八嶽党と老中田沼そして陰の黒幕に対して、浪人となった若い侍が活躍する冒険時代小説。
主人公の若い侍が八嶽党を壊滅させるまで戦うのかと思ったが、対決は中盤あたりで一旦中締め(?)となり、やがて八嶽党は敵役でもなくなってしまう。
八嶽党にいる剣客と主人公との最初の対決では、肩に矢傷を負った主人公を慮って剣客は勝負をおあずけにする。その反面、主人公が一緒に働く隠密と八嶽党との対決は容赦ない暗殺合戦。
剣の果たし合いの場面は緊張感があって、息を詰めて読んでしまった。
池波正太郎作品を読み馴れていたので、仇が仇でなくなってしまう展開がちょっと不思議な感じがした。
2010-11-21
ノラ七面鳥騒動 [NPR]
Original title: Charm Gone, Town Kicks Out Free-Ranging Turkeys
ワシントン州のピュージェットサウンドのある町での七面鳥騒動の話。
2004年春、とある民家の裏庭に七面鳥のペアがやってきた。お互いに毛づくろいしたりしてかわいらしいのですぐに町の人気者に。この七面鳥夫婦は15羽のこどもを産み、そのこどもたちがこどもを生み、町の至るところで七面鳥を見かけるようになった。七面鳥目当てにこの町に観光客が来るようになって、市長は七面鳥を公式に町の鳥として認定した。
ところが七面鳥はどんどん増えて庭を荒らしたり、衛生上の不安も。町議会は、罠を仕掛けて七面鳥の群れを取り除くことにしたが、捕まえた七面鳥は市の条例で食用にすることができず、結局クリスマスツリー農場に送られた。でも町にはまだまだ野良七面鳥が徘徊しているとのこと。
七面鳥を捕って食べていいことにしたら町の評判を落とすし、七面鳥を野放しにしたら町は七面鳥に占領されるだろうし。悲喜劇ですね。
2010-11-17
オクテのホモサピエンスが生き残ったワケ [NPR]
Original title: Growing Slowly, Humans Outsmarted Neanderthals
ネアンデルタール人とホモサピエンスの運命の分かれ目となったのは、ホモサピエンスの方が成長が遅かったからという話。
3万年前、ネアンデルタール人とホモサピエンスは人類の祖先として共存していたし、交配さえあった。ネアンデルタール人は野蛮人というイメージがあるけれども、実はホモサピエンス同様の道具を使い、脳はホモサピエンスより大きかった。それなのになぜネアンデルタール人は滅んでホモサピエンスが残ったのか。
決定的な違いは、ホモサピエンスの方が成長が遅く長生きしたから。脳の成熟に時間がかかるために成人するまでの教育期間が長く、このことがホモサピエンスの社会構造をより複雑にさせ、恐らくより知的にさせた。
ネアンデルタール人は成長が早く早死にしたので、あまり多くのことを学ぶことができなかった。
思春期にオクテだとなんだか引け目を感じるが、ネアンデルタール人とホモサピエンスのことを考えると、成長に時間をかけている間にどれだけのことを吸収するかで、人生は変わってくると思う。
2010-11-14
ハリー・ポッター料理本 [GOOD FOOD]
2010-11-12
謎の蔵書票 [ロス・キング著]
17世紀のロンドンを舞台に、貴族の未亡人から稀覯本探しを依頼された書籍商が主人公のミステリ。
書籍商が一人称で語る1660年のロンドンでの出来事と、捜索を依頼された稀覯本「ヘルメス文書」にまつわる1620年のボヘミアでの出来事が交互に描かれている。
作品が描いているのは、ガリレオ、コペルニクスなどが天文学を解き明かし、「科学」という新しい考え方が人々を魅了し始めた時代。
書籍商が「ヘルメス文書」を探す過程で、エジプトの魔術師や、ギリシアの哲人たち、錬金術師の著作が次々と現れ、聖書が唱える自然原理とは別の世界にこの時代の人々が魅了されていることが描かれている。特に航海術の進歩は、国家の存亡にかかわる重大機密事項だったようだ。
陰鬱で博学の作品なのだけれど、話が大きく展開し登場人物が謎に迫りそうになると、ふいに場面が変わっておあずけをくってしまう。後半はそういうおあずけがやたらと多かったような気がする。
「薔薇の名前」と「アッシャー家の崩壊」をもじっているのかな。稀覯本が著わしている学問についての描写が多かったし、最後は依頼人の屋敷が壊れた配水管のせいで崩れ落ちる。
東欧でカソリックとプロテスタントの争いがあったというのを初めて知った。またバルカンの歴史について興味が湧いてきたので、バルカン関連の本をまた読もうと思う。
2010-11-07
庭のかたつむりを食らう [GOOD FOOD]
Original Title: Eating Snails
その昔、フランス料理店が輸入したかたつむりが逃げて、あちこちで繁殖しているとのこと。庭にいるかたつむりをつかまえて自宅でエスカルゴを作って食べた人の話。
なんと庭で50匹つかまえたとのこと。カタツムリを料理するにあたって、100年前に書かれたフランス料理の本、エスコフィエを参考にし、獲ったカタツムリをバケツに入れてしばらくオートミールを食べさせて毒抜きした。
カタツムリは意外に逃げ足が早いから、バケツには厳重に封をしなければならなかった。
エスカルゴは、お湯を沸かした鍋にカタツムリを入れて茹で、ニンニクとバターとパセリをのせてオーブンで焼いて作る。50個もあったのに、あっという間になくなってしまった位おいしかったらしい。
50匹獲った後、庭にまったくかたつむりがいなくなってしまい、もしかしたらかたつむりの間で「あそこの庭は危険だ」という情報が飛びかっていたのかも、と言っている。最近またかたつむりが現れるようになったので、カタツムリ料理を楽しんでいる。トマトソースがイケる、とのこと。食感はタコというよりマッシュルームのようと言っている。
2010-11-05
国境をまたぐ密輸トンネル [NPR]
Original title: U.S. Uncovers Major Cross-Border Drug Tunnel
カリフォルニア州南端の町サンディエゴはメキシコと国境を接しているが、サンディエゴとメキシコ側の国境の町ティファナの間に600ヤード(約550メートル)のトンネルを掘ってマリファナを密輸していた話。
入国関税局がサンディエゴの倉庫を出発したトラックを追跡しメキシコ国境で停止させたところ、10トンのマリファナが見つかった。トラックが出発した倉庫を捜索すると、床に造られた四角い穴の中にさらに20トンのマリファナが見つかった。この穴はトンネルになっていてなんとメキシコ側の国境の町ティファナの倉庫までつながっていた。
トンネルには簡単な換気装置とレールが設置されていたとのこと。映画「大脱走」を地で行くかのようなトンネルだ。「大脱走」も実話が元になっていますけれど。
2010-11-03
眺めのいい部屋 [ジェイムズ・アイヴォリィ監督]
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