2010-05-09

エデンの東 [エリア・カザン監督]


人間のドラマだ。スタインベック原作。聖書がベースにある、親子、兄弟の葛藤のドラマ。

ジェームス・ディーンは24才で亡くなったのですね。なぜ彼の死が永遠に悼まれるのか。ハンサムなだけでなく、ずば抜けた演技力を備えている俳優だったからだと思う。30代、40代にどんな人物を演じたか、どんな老人を演じただろうか。

「エデンの東」では、子どもっぽさがあり、善良な部分と悪意の部分がせめぎ合う心の葛藤、嫌みのないモテぶり、純情。キャルという人物のすべての要素をあますことなく描いている。この映画が名作なのは、ジェームス・ディーンだけでなく、父親、双子の兄、兄の恋人、母親、保安官、ドイツ系市民。登場人物全員がその人生を生きていることが描かれているからだと思う。

上目づかいがカッコいい、という概念はジェームス・ディーンから生まれたのではないだろうか。兄の恋人役のジュリー・ハリスはキャリー・フィッシャー(レイア姫)にすごく似ている。