「やってみなはれ みとくんなはれ」を読んで、サントリーの販促雑誌「洋酒天国」を読んでみたくなった。開高健がテーマ別にセレクトした単行本で往時を偲ぶことに。
そうだったのかぁ、と発見したのは、オン・ザ・ロックは1960年代以降の新しい飲み物だということ。バーテンがオン・ザ・ロックをどうやって作るのか知らなかった、というエピソードがある。それと、バーボンのことをブルボンとかバーバンとか呼んでいる。
「洋酒天国」は昭和31年発刊。高度成長期前だ。この本に掲載されているエッセイの執筆者は東大、東工大、慶大の学者や、著名な随筆家ばかり。海外生活の経験があり、"洋酒"に対する造詣が深い。文末に著者の簡単な紹介が載っているのだが、明治生まれの人が何人かいる。監修の開高健も含めてみなさん今や故人だ。
海外経験がありそれを語れることがどれだけ洒落ていたことか。海外経験があるということはエリートの証でもあった。こんな風にカッコよく蘊蓄を語れたら、と誰もが憧れたことと思う。当時の風俗を知る貴重な資料でもあると思う。
サントリーのウィスキーを飲みたくなってきた。ビターをたらしたソーダ割りを試してみたい。