エジンバラの警察小説、リーバス警部シリーズ。
名門私立学校で元軍人が銃を乱射、男子学生2人が死亡し1人が重傷を負う。リーバスは要請されて捜査に協力するが、これとは別にリーバス自身はチンピラの焼死事件の容疑者として追求を受ける身となる。今回の事件は他に銃、麻薬の密売、エジンバラの若者グループの対立なども絡んでくる。
リーバスとシボーンの関係が、先輩と後輩、同僚の枠を超えそうな超えなさそうな....という感じ。たぶん捜査という媒介があるから密接な結びつきがあるので、リーバスが退職したらこの親密さは消えてしまうのではないだろうか。パブで会っても話しが続かないのではないかな。
作者は、謎解き、異色な世界の覗き見、職場の政治、登場人物の成長など色んな要素を一つの事件に盛り込んでいる。描かれているのはリーバスやシボーンの生活でもあるわけで、彼らが仕事に熱中するのはわかる気がする。危険に晒されたり、孤独だったり、人生にネガティブな要素はあるけれど、結局仕事が充実感を与えているのではないか。その充実感は読者も感じていて、実際に命を危険に晒したり、中傷に耐えたりしなくてよい分、もっと気楽に熱中できるわけだけれど。