オモチロイ!何度読んでも楽しめる。
春夏秋冬、それぞれの季節に黒髪の乙女と先輩に起こった出来事が綴られている。といっても先輩の片思いが先行しているのだけれど。
春は先斗町、夏は古本市、秋は学園祭、冬は竜巻!?。
不思議で怪しい脇役たちと、ファンタジックな舞台装置が奥深いおかしみを醸し出している。爆笑に次ぐ爆笑。でも文章は詩のよう。オカシイだけでなくて、青春の苦み、しょっぱさ、甘さがよく描かれている。名言多し。読んでいると「お腹の底から幸せになってくるのです」
森見さんの他の作品「四畳半神話大系」にも登場する脇役と場所がここにも出ているのもおもしろい。それから、巻末の「かいせつにかえて」で羽海野チカが書いているように、思い浮かぶ"先輩"は森見さんご本人の姿に近かったが、偏屈王を演じて違和感のないルックスだから、冬編ではも少しカッコよい男子を思い浮かべていた。恋する男子もミメがよくなると思います。