2013-12-19

メリー・ポピンズ [ロバート・スティーヴンソン監督]


子どもの頃に観て、自分も空を飛べるんじゃないか、と思わされた楽しい映画。今回大人になってから観て、実は心の解放がテーマでもあったんだ、と気付いた。映画から受け取るものが全く転換し、最後は涙ぐんでしまった。

「メリー・ポピンズ」制作秘話とも言える"Saving Mr. Banks"がアメリカで公開され(てい)ますが、タイトルの意味を今日、「メリー・ポピンズ」を観てわかった!

私もイヤなことがあった時、落ち込む時にスーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス(Supercalifragilisticexpialidocious)と唱えようと思う。すーぱーかりふらじ....。まずは覚えよう。

2013-12-03

清洲会議 [三谷幸喜監督]


凝ってる。凝ってるのがわかる凝り方で凝っている映画。

本能寺の変で織田信長が死に、明智光秀も討たれた後、織田家臣が集まって後継者を決める会議。清須城で行われたので清須会議と呼ばれている。

原作を読んでいたので、なるほど、と思いつつ観ていた。ラジオ番組で三谷さんが、登場人物のメークにこだわった、と言っていたけれど、たしかに、織田信長は残されている肖像画を彷彿とさせるようなメークだったし、秀吉の耳も強調されていた。女性はみな鉄漿(おはぐろ)で歯を黒くし、眉も額に丸く描いていた。秀吉とお寧は尾張弁で話しているし。

原作を読んでいる時は、なぜか前田利家は唐沢寿明、官兵衛は岡田准一のイメージで読んでいた。実際の配役は、前田利家=浅野忠信、官兵衛=寺島進でした。

権謀策術が渦巻くものの、戦闘シーンが全くない、面白い時代劇。それでも私のベスト三谷映画は「マジック・アワー」だなぁ。三谷さん、ほんっとうに幸せな人ですね。しかし、この映画を最後に、もう三谷氏の作品は追わないことにした。

2013-12-01

料理をおいしく、体を元気に 毎日使える酒粕のレシピ [石澤清美著]


酒粕は体によい、と聞いたので、酒粕をもっと使ってみようと思い、読むことに。

とにかくどんな料理にも酒粕を使ってよいよう。みそ汁、炒め物などなど。みそ汁に入れるのは体が暖まりそうだ、と思ったのだが、酒粕がなかなか溶けないし、酒粕自体に味がないので想像していた味と異なる仕上がりになった。魚の漬床にもしたいけれど、やってみると面倒だった。

やはり甘酒にして飲むのがよいようだ。酒粕を予め砂糖とお湯で柔らかくして作りおきしておいて、飲む時に溶かす、という方法が使える。夏に甘酒は体に良いとのことなので、冷水で溶いて、冷やし甘酒を飲もうと思う。

2013-11-28

おうちのスープ―21人が自分のために作ったレシピ63 [AC mook―カフェタイムブックスシリーズ]


スープのレシピの参考にするために読むことに。チキンストックは使わない、と言い切った「ホームメイドスープ」の原さんと、ウー・ウェンさんも参加している。

殆どのレシピがミキサーを使っている。ミキサーは買わない、使わない、と決心したので、あまり参考にならなかった。それにどのレシピも、みなさんがプライドをかけて作ったもののようで、ふだんの材料で作れるスープとは言いがたい。ジローラモさんの奥さんのレシピは、パルメジャンチーズの皮を使う。イタリアの家庭ならチーズの皮はあまりものなのだろうけれど....。

2013-11-17

ホームメイドスープ [原 弘美著]


保温マグを買ったのでスープのレパートリーを増やそうと思い、読むことに。

まず、原さんが、チキンストックを使わずに野菜の旨味だけでスープは十分おいしく仕上がる、というのに共感。

スープのレシピには必ず、チキンストックや固形ブイヨンを溶かしたものが材料にあげられているが、チキンストックを作るのは面倒だし、固形ブイヨンは化学調味料のカタマリだから使うのに抵抗がある。それに固形ブイヨンは独特の匂いがあって、素材の風味を消すような気がする。

玉ネギやベーコンの旨味だけでおいしく仕上がる、というプロの言葉に勇気づけられた。

ミキサーを使うレシピがあるけれど、ミキサーについてはいつも考えさせられてしまう。素材を潰してピューレ状にするとたしかに旨味をすべて溶かし込むことができていいけれど、台所でミキサーの電源をどこからとるのか、ミキサーの置き場所をどこにするか、ミキサーは洗いやすいのか、色々考えるとミキサーを買うハードルが高くなる。でもこの本はミキサーを使わないレシピが多いのがよい。

2013-11-15

キッチンの穴 [たけだみりこ著]


夫の父母と伊豆で暮らす漫画家の、食にまつわるエッセイ漫画。料理だけでなく、野菜の栽培の話もあったり、友人のエピソードもあって面白い。

餃子の焼き方とか、安い鶏肉をおいしくする方法とか、とても参考になった。調理する時の、あるあるエピソードも楽しい。気分がすぐれない時に読んだら、何となく口元が緩んできて、気持ちが落ち着いた。

2013-11-03

蠢動 -しゅんどう- [三上康雄監督]


平岳大さんを秘かに注目している(ファンなのです)ので急遽観ることに。主役を演じている。

地方の藩を舞台にした時代劇。幕府から遣わされた剣術指南役が、藩取り潰しのための内情を探っていることがわかり、暗殺することに。しかし、幕府から使者が来ることがわかり、下手人を始末したことにしなければならなくなる。実際に手を下したのは城代家老の婿でもある藩の剣術師範。そのため無実の若い藩士を身代わりに始末することにし、その役目を暗殺実行者である剣術師範が引き受けることとなる。

全編、音楽なし。太鼓の音のみが効果音として使われている。ラストの雪原での斬り合いに迫力があった。雪に足をとられ、雪で袴が濡れて重くなり、さらに重い刀を振り回し.....命がけだ。

質実剛健な時代劇。家老(若林豪)、用人(中原丈雄)、幕府関係者(目黒祐樹、栗塚旭)を演じるじいさま(失礼)方が素晴らしかった。

平君は城代家老の婿である剣術師範、渋く、殺陣もキマってました。役者は大変な仕事ですね。

2013-10-20

清須会議 [三谷幸喜著]


脚本家が書く小説ってどんなんだろう、と思って読み始めて、なるほど、この手があったか、と思った。

戦闘シーンが多い戦国時代だけれど、知略で抜きん出ようとする武将たちの腹芸を描いている。とはいえ、あまり重くない文章スタイルなのでどんどん読み進めることができた。

なぜか秀吉は火野正平、黒田官兵衛は岡田准一、前田利家は唐沢寿明のイメージで読んでしまった。

三谷さんはこの自分の小説を原作に映画を撮るとのこと。究極のお人形遊びをしている幸せな人だな、と思う。」

2013-10-04

プリンセストヨトミ [万城目学著]


これも面白い!!!!!歴史を基にしたファンタジックな設定に会計検査院という堅い役所が絡んだ絶妙の物語。

会計検査院の役人3人が、大阪空堀商店街に事務所を置くとある協会の会計監査に赴く。この協会は政府から多額の補助金を得ているにも関わらず、事業実態があいまい。調査に赴いた検査官たちは、日本国内にもう一つの国家「大阪国」が存在していたことを知る。これに、性同一性障害の男の子と幼なじみの女の子、辰野金吾が大阪の残した建築物の数々、大阪城、豊臣一族が謎を投げかけてくる。

大阪国。ありそうだ。中学生の時に初めて大阪へ行った時、関東との文化の違いに眩暈を覚えた。10代の世間知らずにとって、大阪は異国だった。

この本を読んだ後、大阪へ行くことがあったので空堀商店街へ行ってみたが、本当に坂道にある商店街だった。しかもお店の人たちがとても親しげで、楽しかった。だけど、小説で重要な役割を持つ、辰野金吾設計のビルらしきものは見当たらなかった。次に大阪に行く時には、大正区のポンポン船に乗ってみたい。

これは、大阪における父と息子を描いた物語だと思う。それを踏まえてニヤっとした台詞。
"みんな知ってるの----大阪の女は、男が何をやってるか、全部知ってるの。だから、敢えて何も言わへんの"
もしかしたら本当の主題はこれなのかも。そうなんだ。奴らを手の平の上で遊ばせていると思えばいいのだ。

2013-09-27

廃墟の乞う [佐々木譲著]


本格ハードボイルドミステリだ、と思った。

北海道が舞台。

ある事件の凄惨な現場に居合わせたことでPTSDとなった刑事が、療養中に非公式に依頼された事件を解いていく。事件の舞台は、ニセコ、夕張、オホーツクの漁港、石狩、日高、帯広、札幌、と北海道全土に跨がっている。町ごとに異なる人々の暮らしぶり、性質、風土。北海道という土地でなければ描けない物語。

アメリカのハードボイルド作品には、地方都市を舞台にした作品も多い。この作品も北海道という土地柄だからこそ、渋いハードボイルド作品に成り得たのだと思う。