読んだ本と、映画館で観た映画の記録をつけています。
おもしろかったポッドキャストの記事の紹介も。ポッドキャストは、NPR:Story of the DayとKCRW:GOOD FOODから。
コピー&ペースト等転載はお断りします。
2012-04-28
ケンタッキーダービーでケンタッキーバーボンを [GOOD FOOD]
Original Title: What to Drink at the Kentucky Derby
ケンタッキー・ダービーが5月に130周年を迎えるにあたってケンタッキー・バーボンの話。
ケンタッキーで作られるバーボンは、つまりトウモロコシで作るウィスキーなわけだけれど、なぜバーボンと呼ぶのかというと、1790年代からブルボン家がバーボン郡を作りそこで製造したことに由来するとのこと。1960年代の「洋酒天国」で、バーボンをブルボンと呼んでいる。いつから"ブル"が"バー"に変わったのだろうか。
ところで、バーボン醸造会社でテイスティングをしている女性がバーボン・ウーマンというクラブを創った。バーボンは男性の飲み物というイメージが強いが、女性の愛好家も増えているし、バーボンに興味を持つ女性も増えているのを感じて、気軽にバーボンを楽しめるようにと創設した。集まってテイスティングをしながらお喋りを楽しんでいるよう。
ケンタッキーでバーボンといえば、ケンタッキー・ダービーとミントジュレップが有名。ミントジュレップはミントの葉、砂糖、バーボン、クラッシュアイスで作るカクテル。ダービー観戦に欠かせない飲み物。
ミントジュレップのレシピについては、ケンタッキー人それぞれに主張があるらしいのだが、ここで紹介されているのは、ミントシロップを使うレシピ。
ミントシロップの作り方。同量のグラニュー糖と水を火にかけ、砂糖が溶けたところでミントの葉をむしって入れる。エキスが出る位浸しておいたらミントの葉を取り除き3日位冷蔵庫で寝かせる。
ミントジュレップを作る時は、金属カップをよく冷やしておき、ミントシロップをティースプーン2杯にバーボン、クラッシュアイスを加えて作る。小さなカップでクイっと飲むのが粋な飲み方。何杯飲んでもかまわない。
ミントシロップを作ってみた。ミントの種類が違うのか、葉を浸しすぎたのか、苦い風味のシロップが出来てしまった。
2012-04-21
ニューヨーク公立図書館のメニューコレクション [GOOD FOOD]
Original Title: The New York Public Library's Menu Collection
ニューヨーク公立図書館に4万点以上のレストランメニューのコレクションがある話。オンラインでも閲覧することができる。
このメニューコレクションは、ブトーさんが集めたコレクションから始まった。ブトーさんは1900年頃から1920年までニューヨーク公立図書館でボランティアとして働いていた人。ボランティアといいながらも図書館内に自分の机を持ち、辞めるまでの間に2万5千点ものメニューを集めた。
メニューの収集はニューヨーク中心に始まったが、世界各地のレストランから送ってもらった時期もあった。しかし保管場所が限られているため、今はまたニューヨーク中心のコレクションに戻ったとのこと。
一番古いメニューは1843年の女性クラブのもの。明治維新より以前の時代だ。今も収集は続いており、コレクションが膨大な数になったので、スキャンしてデーターベース化した。図書館のホームページでコレクションを閲覧することができる。実物が見たい場合は、ホームページでメニューを特定してから図書館に予約をとればよい。
写真は1962年の日本食レストランのメニューの表紙。スキヤキ3ドル、バタ焼き4.5ドルなどが掲載されている。他にヨセナベ、テイショクもある。
メニューを見ていると、同じ料理が年代によって呼び名が変わるのがわかるし、値段の変化もわかる。貴重な食の社会学的資料であるけれど、単に料理名をながめているだけでも楽しい。江戸時代の料理屋の品書きが残っていたらどんなにおもしろいだろう。鬼平の世界ですね。
ニューヨーク公立図書館のメニューコレクションはこちら
2012-04-20
治療島 [セバスチャン・フィツェック著]
原因不明の病気にかかった娘を病院に連れて行った精神科医は、そこで娘を見失ってしまう。そして4年の歳月が流れ、なぜか精神病院に"入院"している精神科医は主治医に、娘の失踪から2年後にある島で遭遇した不思議な体験について語る。それは、娘の失踪について何かを知っているらしい美しい女性にまつわる不可解な出来事の連続だった。この女性は娘の失踪の真相を知っているのか。
統合失調症の女性の言動と、娘の失踪で精神的ダメージを受けている主人公の精神科医の妄想が入り乱れて、読んでいて非常に不安な気持ちになってくる。サスペンスフル。ホラー小説ではないのだけれど、読んでいてこんなにコワかったことはない。ウツがひどくなってしまった。
半分ほど読んだ時点で、オチの見当がついたのだけれど、作者がどう落とし込むのか気になって読み進んだ。最後まで読んで、ナルホド、うまくヒネりましたね、と納得。
最近、非英語圏ヨーロッパのミステリに注目作品が多い。「ミレニアム」しかり。しかしヨーロッパの作品はどことなくひやりとした印象がある。ところで、この作品は精神状態が不安定な人は避けた方がいいと思う。
2012-04-18
関西文学散歩 京都・近江 [野田宇太郎著]
京都関連の文学作品が無数に登場し、様々なエピソードが紹介されている。文学部の教科書といえる本だ。昭和36年2月発行で旧漢字で印刷されている。"学"が"學"になっているなど。
日本文学に詳しくないので国語の教科書に登場しない作家たちについて初めて知ることが多かった。ドナルド・キーン先生が、日本文学は世界に誇れるすばらしい芸術だ、というようなことを言っているけれど、この本を読んで日本文学の奥深さ、層の厚さを知った。
東三本木に文壇関係者が常宿としていた信楽という旅館があったというエピソードも興味深い。女将は当時の政界の有力者と親密な間柄だったという。それから長田幹彦の「祇園夜話」という小説について何度も言及しているので、そのうち読んでみようと思う。
各地を訪れ各作品、各作家についてとても丁寧に語っており、貴重な資料であると思う。がんがん読み進むという本ではない。というわけで、日本文学にもうしわけないのですが、読了せずに半分過ぎたあたりで読むのをやめてしまった。
2012-04-14
ケチャップの歴史 インドネシアからイギリス経由アメリカへ [GOOD FOOD]
Original Title: The History of Ketchup
ケチャップの歴史について著わした食研究家へのインタビュー。ケチャップは意外にも東西文化が融合したものだった。
現代人の食生活に欠かせない調味料の一つケチャップ。オムライスやハンバーガーといった"洋食"に主に使われているからなんとなくアメリカ起源だと思っていた。実はケチャップはインドネシアが起源。
もともとは大豆を主原料に作られる発酵調味料で、醤油のようなものだった。インドネシアにやってきたイギリス人が気に入って輸入していたのだが、かなり高価だったので自分たちで作ることに。しかし当時イギリスには大豆がなく、似た色と味を出すためにいろいろな材料で試した。要するに材料を発酵させて作れば何でもケチャップに成り得たので、牡蛎、クルミ、果物、ジャガイモ、魚、レバーなど、いろいろな材料でケチャップが作られるようになった。
「ケチャップ」という名前はフランス語から来ている。スパイスの入ったいろいろな材料を合わせたもの、という意味とのこと。その意味でウスターソースは一種のケチャップといえる。
ケチャップがトマトケチャップになったのは19世紀末のアメリカで。1870年頃トマトの価格が暴落。倒産寸前に追い込まれたトマト缶会社がトマトでケチャップをつくってみることにした。それまでのケチャップは発酵食品なので甘くなかったのを、一般受けするために砂糖を入れて甘くし、発酵を抑えるために酢も加えた。こうして現在のケチャップが誕生。
トマトケチャップは製造を始めたほんの数社が業界を独占。特にハインツは流通も押さえており、現在のアメリカではほぼ独占状態とのこと。
2012-04-07
鶏と卵の関係 [GOOD FOOD]
Original Title: Chicken and Egg 101
卵の基本情報について。
まず雄鶏と交尾しなくても雌鶏は24~36時間毎に卵を生む。ニワトリには決まった繁殖期はなく、一年中繁殖期にある。有精卵を28℃に保温し続けるとヒナが孵るが、冷蔵庫で保存しておけば決して卵が孵ることはない。
冬は産卵数が少なくなる。これは冬になってエサが少なくなるから、というより日照時間が短くなることと関係している。だから、養鶏場では鶏舎内をいつも明るくしている。
エサといえば、黄身の色はエサの影響を受けている。オレンジ色の濃い黄身になるか、レモンイエローになるかはエサの種類で決まるとのこと。
そして白卵と赤卵の違いは、雌鶏の羽根の色の違いで決まる。白いニワトリからは白い卵、赤いニワトリからは赤い卵が生まれる。アローカナという鶏は薄青い卵を生むがこれは例外。1500年代にアメリカに持ち込まれたアローカナの卵は、マーサ・スチュアートのお気に入りらしい。殻の色が違っても栄養は全く変わりなし、とのこと。
新しい卵ほど体に良いのだけれど、古い卵の方がゆで卵にした時、殻を剥きやすくなっている。殻と身の間に空気を取り入れているので殻を剥きやすい状態になっているから。
チェーンのコーヒーショップでモーニングについているゆで卵は殻がツルンと剥ける。古い卵だからなのか。
卵好きなので興味深かった。でも卵料理のレシピについてなかったのは残念。
2012-03-14
干し野菜のおいしいレシピ [本谷恵律子著]
野菜を干すことに興味を持ちはじめた矢先に見つけた本。最近、野菜や果物を干すのが流行っているのですか?
色んな野菜と果物の干し方と、干し野菜、干し果物を使ったレシピが載っている。ちょい干し、しっかり干し、と干し加減(?)の違いで外見や風味が異なることがわかるようになっているし、野菜や果物の種類によって適した干し加減があることを教えてくれている。
珍しいのはキュウリ。ちょい干ししたキュウリを炒める料理が載っていた。夏になったら試そう。それから、干しレンコン。生レンコンできんぴらを作るとレンコンが崩れてしまうのだけれど、干しレンコンは崩れず、もっちりした味わいになった。
韓国では葉物野菜を干して使うと聞いていたが、やってみると風味が増して、煮くずれせず、これから干し野菜の習慣がつきそうだ。
ヒューゴの不思議な発明 [マーティン・スコセッシ監督]
2012年アカデミー賞で作品賞を逃した作品。1930年代のパリの駅を舞台に、孤児のヒューゴとおもちゃ屋の主人で、実は有名な映画監督だった老人と、からくり人形をめぐる話。
老人は、1902年に「月世界旅行」を制作したメリエスという設定。映画のタイトルは「ヒューゴ」で、少年の話かと思いきや、映画創生期の人々の情熱と夢が主題になっている。
ヒューゴの敵役となる鉄道警察官をサーシャ・コーエンが演じている。風刺がキツすぎるブラックコメディ「ボラット」とか「ブルーノ」に主演した俳優。巨匠マーティン・スコセッシの前では少ーし毒が緩和されていたけれど、強烈な印象を与えている。
3D映画を初めて観た。画面に奥行きがあって臨場感があるけれど、字幕が二次元なので時々我に返る感じ。しかも、眼鏡で映画館へ行ったので、3D用メガネの収まりが悪く、映画の世界に没入できなかった。
ドラゴン・タトゥーの女 [デヴィッド・フィンチャー監督]
デヴィッド・フィンチャー、やったねー。小説の映画化ではなく、映画「ドラゴン・タトゥーの女」が出来上がっている。
ベストセラー小説「ドラゴン・タトゥーの女」の映画化。原作は濃密なミステリーでありながら社会に向けたメッセージも織り込まれている秀作。原作の読者にはかなりはっきりしたイメージが作り上げられているから、映画化をどう評価するだろうか。一人の原作ファンとして、これは原作のアウトラインを持った上質のミステリー映画「ドラゴン・タトゥーの女」だ、と思った。
結末が原作と異なっているのだけれど、この結末もアリ、だと思う。むしろ映画を観てから原作を読むと、原作の結末の方がひねりすぎて終盤が長引いてしまった、という印象を受けるかもしれない。
この映画にもクリストファー・プラマーが登場。若き日のクリストファー・プラマーを「眺めのよい部屋」のジュリアン・サンズが演じている。いい配役だと思う。
「移民の歌」がバックに流れるオープニングのアニメーション(?)。よく観ていると、ミレニアム・シリーズの第2作、第3作のエピソードをなぞっているかのような動きだ。すると、今後、「火と戯れる女」「眠れる女と凶卓の騎士」も続々映画化、ということか。
ただ、登場人物たちの背景がかなり抜け落ちているので、原作を読まずに映画を観ると、途中で???という部分がかなりあると思う。
スウェーデン人(イギリス人、アメリカ人、なんにせよ)も、人の気持ちを損ねてはいけない、という本能が働くのか。このことは原作にももちろん書かれていたけれど、この映画を観て、ちょっとでもあれ?と思ったら立ち止まってよく考えること、というのを習慣づけることにした。
2012-03-09
八十日間世界一周 [ジュール・ヴェルヌ著]
おんもしろ~い!!!1873年の作品。つまり140年間人々を楽しませ続けている本なのだ。
ロンドン在住の裕福な紳士、フォッグ氏が、所属するクラブで交わした世間話から、80日間で世界一周を成し遂げてみせる、という賭をする。賭をしたその日の朝に雇い入れたフランス人執事パスパルトゥーを伴って、東回りの世界一周の旅に出かける、という話。
ヨーロッパを横断して、エジプト、スエズ運河経由でインドへ、さらに香港、上海、横浜、サンフランシスコ、アメリカ合衆国を横断してニューヨーク、リバプール、ロンドンというルート。19世紀中頃には最先端テクノロジーであった、汽船や鉄道を駆使して80日間という短期間(?!)で世界一周を成し遂げようという大冒険。
汽船や鉄道は最先端テクノロジーだが、行く先々の土地はまだまだ未開の地だ。インドでは若くて美しい未亡人のアウーダ夫人を救出し、アメリカではインディアンと戦い、洋上では悪天候に見舞われ、次から次へとありとあらゆる困難が降りかかる。しかし、フォッグ氏は"なんのおどろきもあらわさず"、淡々と旅を続ける。
フォッグ氏と他の登場人物たちの対比が時々、吹き出してしまうようなおかしさを醸し出している。冷戦沈着なフォッグ氏に代わってパスパルトゥーが青くなったり赤くなったり激しい感情の起伏を見せるし、アウーダ夫人でさえ、"真っ青になって、すべての血が心臓に逆流して"しまう。
最後はもちろん、ハッピーエンド。潤沢な資金があって、思慕の情を募らせる相手とともに冒険の旅をして家に帰る。すべての旅好きの究極の夢ですね。
1956年映画化。フォッグ氏はデビッド・ニーブン、アウーダ夫人はシャーリー・マクレーン。









