元特殊部隊員で子どもの誘拐を専門に探偵・救出者として仕事をしているベン・ホープが主人公。
ベンは大富豪から、不治の病に侵されている孫娘を救うために不老不死の薬の処方が書かれた20世紀初頭に実在した錬金術師の手稿を探すよう依頼される。ベンが子ども専門の仕事をしているのは、子どもの時に妹が行方不明になったことに由来するのだが、孫娘の名が彼の妹の名と同じであることから、彼にとっては分野違いの物探しをすることになる。ここに、不老不死薬を研究している若い女性研究者、錬金術師の手稿を探す宗教組織、フランス警察のマッチョな警部などが絡んで、謎を巡る逃走劇が繰り広げられる。
20世紀の錬金術のこと、カトリックから異端扱いされたカタリ派のこと、などなど歴史背景はきちんと書かれている。が、私の印象は、冒険ハーレクイン小説。
ベンは、ベンジャミンのベンではなく、ベネディクトのベン、だという設定に惹かれて読むことに。ということで読んでいる間中、ベン・ホープのイメージはずっとベネディクト・カンバーバッチでした。