2011-10-03

コーリャ愛のプラハ [ズデニェック・スヴェラーク著]


共産主義崩壊寸前のチェコを描いた作品。著名なチェロ・ソリストでありながら、弟が西側へ亡命したためオーケストラを解雇された主人公。お金のためにソ連人女性と偽装結婚するが、女性は子どもを置いてドイツへ亡命。残された子どもの面倒をみる羽目になり、両者の間に心の交流が生まれる、という話。

まるで映画のカットをそのまま文章にしたような文体。チェコ語の特徴なのか、全編を通して現在形なのが違和感だった。が、実はこの作品は映画にもなっているとのこと。映画が始めにあり、それを小説化したよう。

東ヨーロッパの映画らしい演出とカメラワークと照明が見えてくるかのようだった。