2011-10-07

アントニーとクレオパトラ [ウィリアム・シェイクスピア著]


蜷川演出の「アントニーとクレオパトラ」を観に行くので読んでおくことに。

ジュリアス・シーザー亡き後のローマでの権力争いとエジプト王朝の最後が時代背景。そこに中年男女のアントニーとクレオパトラの恋というか愛憎が描かれている。恋は人を愚かにする。「あなたが私のもので、終生変わらぬお心の持ち主だと、どうしてそう考えられよう」

シェイクスピアは素晴らしい。これほど人間と人生と社会を的確で簡潔でわかりやすく表現している作家は他にいないのではないか。シェイクスピアは先駆者だ。

物語として読むと空白部分が多く、突然別方向に展開するような所に戸惑うのだけれど、芝居として読むと、その空白をどのような演出で埋めるか、どんな演技で観客を納得させるか考える余地となる。そこがものすごい魅力なのだろうと思う。脇役にもその人が主人公足りえるドラマが垣間見える。

観に行く芝居がどのような出来になっているか。楽しみが増えました。