エジンバラを舞台にした警察小説、リーバス警部シリーズの記念すべき第一作。この作品ではリーバスはまだ部長刑事。
陸軍のSAS部隊を除隊した元軍人のリーバスは警察に再就職し、叩き上げのデカとしてキャリアを積んでいるが、軍隊時代の悪夢に悩まされている。エジンバラでは少女連続殺人事件が町を騒がせていた。
この「紐と十字架」も、物語が進むにつれて男2人の対比と対決という構図になってくる。しかも、2人の過去が事件の発端。この本の直前に読んだエルロイの「血まみれの月」と似ているなぁ、と思ったら、解説に、作者のイアン・ランキンは、エルロイの影響を受けている、とインタビューで語っているとのこと。
この第一作でシリーズの中で語られているエピソードの出所がわかったけれど、日本では3作から7作までが未訳のよう。リーバスが勲章を授章したというエピソードを読んでみたいし、シボーンはいつから登場するのか。シリーズはまだまだ続いているので、新作も読まなければ。