エルロイ初期の作品。
成人する前に似たような悲惨な経験をした男2人が、二十数年後、連続殺人犯と事件を追う刑事として対決する。この2人の間に、ある意味で事件の発端となった女が絡んできて、3人の関係がクライマックスにもつれこんでいく。1980年代が舞台。
2人の男の対比とそこに絡む女、という構図は「ブラック・ダリア」に通じる。「LAコンフィデンシャル」にも通じているかも。この「血まみれの月」の"運命の女"は男たちのキャラクターとドラマの迫力に対して力量不足な感じはあるけれど。
それにしても暴力と犯罪現場の描写が凄惨で、初期の作品のせいか荒削りなところがあり、余計に神経にこたえる。鬱がひどくなってしまった。