2010-01-07

脱北者が見た北朝鮮 [NPR]


North Korea At Night
North Korea At Night,
originally uploaded by Joshua Foust.
Original Title: In New Book, N. Korea Seen Through Defectors' Eyes

ロサンゼルスタイムスの記者が脱北者を取材して「羨むことは何もない(Nothing to Envy)」という本を著わした。

まずこの本の冒頭には、衛星が撮した北東アジアの夜間の写真が載っているとのこと。韓国と中国、日本は灯りで白く輪郭が浮かび上がっているが、真ん中の北朝鮮は黒いままだ。北朝鮮に電力がないことがこれでわかる。北朝鮮は壊滅的な飢餓状態にあるとのこと。北朝鮮にはもうカエルがいないらしい。朝鮮人にカエルを食べる習慣はないけれど、食べ尽くしてしまったのだ。犬も猫もネズミも、雑草も、樹皮も何もかも食べ尽くしてしまった。

この間読んだ「チャイルド44」の冒頭には、ソ連の大飢饉の様子が描かれている。子どもを捕まえて食べようとさえするのだ。それと同じことが北朝鮮で起こっている。

「羨むことは何もない」というタイトルは、北朝鮮の子どもたちがよく歌う歌のタイトルから来ている。その歌は「お父様が守ってくれる家に住んでいる私たちはみんな兄弟姉妹。外の世界には何にも羨むことはない」という内容。

北東アジアの真ん中にある北朝鮮だけが、文字通り闇に沈んでいる写真を見ると、事態の深刻さにあらためて気づかされる。