2009-06-08

「美しい」ってなんだろう?-美術のすすめ- [森村泰昌著]


名画の人物や女優に扮してのセルフポートレートで有名な美術家、森村泰昌氏が中高生向けに連載していたシリーズの単行本。

読みながら、「美しい」とは何かということばかりでなく、生き方、考え方をじっくり考えてしまった。美術の見方について深い示唆がある。

アンリ・カルティエ・ブレッソンの作品を解説している章で、「ナルホド!」と膝を打った。作品の構成の骨組みを考え、レントゲンにかけて見てみるということ。これをブレッソンの写真全てにやったら、自分の写真が変わるんでは?と期待を込めて思う。

読者からの質問に答えるコーナーも興味深い。モリムラ先生が言っていることは、何にでも一度は接してみよう、ということ。雑多な種を蒔いておくと、思わぬ時に思わぬ芽が育ってくる、それが人生の面白さだ、と。

何にでも接してみよう、というのは肯定的な態度ですね。物事を肯定的に見る人は、人を惹きつけるのではないかと思う。ひとりぼっちでない方が、生きやすいですね。