
例えば、20代の女性が自宅で襲われて、近くの森で惨殺遺体で発見される。心理分析官は「犯人はやせ型の20代の白人男性で、高卒か大学中退。一人住まいか片親と暮らしている。一人住まいなら部屋は汚れ放題だ」なんて犯人像を描き出す。シャーロック・ホームズのようだ。このプロファイルをもとに、警察は容疑者を絞り、捜査の無駄を減らすことができる。
性的連続殺人の犯人は大まかに秩序型と非秩序型に分けられ、秩序型は人の心を操ることに長け、被害者を自分のコントロール下において犯行に及ぶとのこと。人を支配しようとする人には警戒しなければ。一方、支配されたい願望を持っている人もいますけれど。
巻末の解説を書いている精神医学者の福島先生は、性的連続殺人の犯人はたいてい白人で、吸血鬼の業を連想させる、と書いている。有色人種の日本ではアメリカほど性的連続殺人は発生してないが...。とにかく犯罪者は、幼少時の家庭環境、特に母親の態度が大きく影響しているのは確実のよう。母親という存在も支配しようとする傾向がありますね。
怖いもの読みたさで、一気に読んでしまった。続編も出ているので、いつか読もうと思う。
1990年代のベストセラー。奥付を見たら初刷から1年未満で94刷になっている。すごい売れたんだ。トマス・ハリスは「レッド・ドラゴン」や「羊たちの沈黙」を執筆する際、主著者のレスラーに取材した、とレスラー自身が語っている。