読んだ本と、映画館で観た映画の記録をつけています。
おもしろかったポッドキャストの記事の紹介も。ポッドキャストは、NPR:Story of the DayとKCRW:GOOD FOODから。
コピー&ペースト等転載はお断りします。
2013-01-08
高慢と偏見 [ジェーン・オースティン著]
イギリス気分に浸りたくなり、親友が大好きな作品、というので読むことに。
おもしろい!!!平凡に見える人生であってもいかにドラマが詰め込まれているのか!19世紀のイギリスの地方を舞台に、ベネット家の5人姉妹を中心にしたドラマが展開している。
内に秘めた情熱をあらわにしない大人しい長女、聡明で活発な次女、本の虫の三女、色恋沙汰に夢中の四女と五女。そして娘たちを良家に嫁に出すことを人生の楽しみと目的にしている母、若さと美しさだけに惹かれて結婚したものの妻が"理解力が弱く心が偏狭"なためすぐに愛情をなくした父。ご近所の荘園を購入した若い独身領主とその友人、さらにその幼なじみといった男性陣がベネット家の娘たちに関わってくる。
オースティンの作品は、非生産階級を描いているという批判があるようだけれど、人間が生きている過程がドラマなんだ、ということをきちんと描いていると思う。高慢と偏見で描かれているベネット家のお嬢さんたちのドラマは、ご近所の奥様方が「あそこのお嬢さんはこうなのよ、ああだったのよ」なんておしゃべりのタネにしそうなことばかりなのだけれど、それをきちんと人間のドラマとして描いているオースティンは本当に才能のある作家だ。高慢と偏見はオースティンが二十歳の時に書いた作品を書き直したものとのこと。鋭すぎる。
1995年にBBCがドラマ化した際、ヒロインである次女エリザベスの相手役ダーシーをコリン・ファースが演じ、それで彼は大ブレークしたとのこと。エリザベスを演じたジェニファー・イーリーはゼロ・ダーク・サーティで主人公マヤの同僚を演じていた。
ちなみにジェーン・オースティンの肖像が2017年からイギリスの10ポンド紙幣に印刷されることになったとのこと。