読んだ本と、映画館で観た映画の記録をつけています。
おもしろかったポッドキャストの記事の紹介も。ポッドキャストは、NPR:Story of the DayとKCRW:GOOD FOODから。
コピー&ペースト等転載はお断りします。
2013-01-27
シャーロック・ホームズの冒険 [コナン・ドイル著]
「緋色の研究」に続けてホームズを読みたくなり読むことに。
面白い。必ずしも殺人事件を解決するわけではなく、「赤毛組合」「花婿失踪事件」「唇の捩じれた男」「ぶな屋敷」など、日常の奇怪な出来事の原因を探り出す過程にドラマが描かれている。もちろん小学生の頃に一度読んで、大学生の頃にまた読んでいるのだけれど、何度読んでも真相を知っていてもおもしろい。
日常生活でそう頻繁に殺人が起こるわけがないから、ホームズシリーズがこういった不思議出来事を扱っているのが親しみやすい一因かもしれない。
「ボヘミアの醜聞」が結構早い時点で書かれていたのに驚いた。
独身男性二人の賄い付き共同下宿生活は人生の幸せな一時期、という感じがする。うらやましい。
2013-01-16
LOOPER/ルーパー [ライアン・ジョンソン監督]
おんっもしろい!!!
タイムトラベルが可能となった未来で、"組織"が始末したい人間を過去のある時点のある場所へ送り、そこで射殺する。過去にいる処刑人はルーパーと呼ばれ、高額の収入が約束されているが、いつか未来の自分自身を射殺することになっている。その時からルーパーは処刑人を引退し、ただ"余生"を生きることになる。
"過去にいる"ルーパーをジョセフ・ゴードン・レビットが演じ、"未来にいる"引退したルーパーをブルース・ウィリスが演じている。
ジョセフ・G・レビットとブルース・ウィリスは全然似ていないのだけれど、予告動画を観たら、毎日3時間かけてブルース・ウィリスに似せる特殊メイクをしていたとのこと。最後のクレジット・ロールで、この特殊メイク担当が日本人だと知った。メイクは別にしても、ジョセフ・G・レビットは仕草とか口ぶりなどをブルース・ウィリスに似せていた。
タイム・パラドクスがあるが、未来の自分を殺したルーパーは余生を過ごし、やがて「その時」を迎える。だが今度は過去の自分に反撃して生き延びようとする。そのために、"過去"ではまだ子どもの"組織のリーダー"を探し出して殺そうと、奔走。"過去の自分"を捜索に協力させようとするが......。
ここから先はネタバレになってしまうのだけれど、後半の捜索編では、ジョセフ・G・レビットのルーパーと彼を匿う若い農場主のエミリー・ブラントの間で起こるドラマが観客を惹き付ける。タイムトラベルという発想からここまで深い人間ドラマを生み出した監督の脚本に脱帽。
2013-01-11
ホビット 思いがけない冒険 [ピーター・ジャクソン監督]
ロード・オブ・ザ・リングのファンでもあるし、ベネディクト・カンバーバッチが出演しているというので観ることに。
「ホビット」は、安穏とした生活を好むホビット族のビルボ・バギンスが冒険に踏み出して、人生を変えていく物語。映画は3部作になるようで、「思いがけない冒険」はロード・オブ・ザ・リングを手に入れるまでを描いている。
再びホビット庄が登場。ビルボ・バギンスの居心地の良さそうな家も。
マーチン・フリーマンが彼の演じるオトボケキャラでビルボ・バギンスを演じている。マーチン・フリーマン絡みでかB.C.もネクロマンサーとして出演しているが、シルエットだけだった。声だけ出演とも言われた。
でも映画館で安心して冒険ができる作品。第2部、第3部も観るつもり。
2013-01-08
高慢と偏見 [ジェーン・オースティン著]
イギリス気分に浸りたくなり、親友が大好きな作品、というので読むことに。
おもしろい!!!平凡に見える人生であってもいかにドラマが詰め込まれているのか!19世紀のイギリスの地方を舞台に、ベネット家の5人姉妹を中心にしたドラマが展開している。
内に秘めた情熱をあらわにしない大人しい長女、聡明で活発な次女、本の虫の三女、色恋沙汰に夢中の四女と五女。そして娘たちを良家に嫁に出すことを人生の楽しみと目的にしている母、若さと美しさだけに惹かれて結婚したものの妻が"理解力が弱く心が偏狭"なためすぐに愛情をなくした父。ご近所の荘園を購入した若い独身領主とその友人、さらにその幼なじみといった男性陣がベネット家の娘たちに関わってくる。
オースティンの作品は、非生産階級を描いているという批判があるようだけれど、人間が生きている過程がドラマなんだ、ということをきちんと描いていると思う。高慢と偏見で描かれているベネット家のお嬢さんたちのドラマは、ご近所の奥様方が「あそこのお嬢さんはこうなのよ、ああだったのよ」なんておしゃべりのタネにしそうなことばかりなのだけれど、それをきちんと人間のドラマとして描いているオースティンは本当に才能のある作家だ。高慢と偏見はオースティンが二十歳の時に書いた作品を書き直したものとのこと。鋭すぎる。
1995年にBBCがドラマ化した際、ヒロインである次女エリザベスの相手役ダーシーをコリン・ファースが演じ、それで彼は大ブレークしたとのこと。エリザベスを演じたジェニファー・イーリーはゼロ・ダーク・サーティで主人公マヤの同僚を演じていた。
ちなみにジェーン・オースティンの肖像が2017年からイギリスの10ポンド紙幣に印刷されることになったとのこと。
2013-01-05
緋色の研究 [コナン・ドイル著]
ホームズとワトソンが初めて出会う作品。
前半で殺人事件とホームズの推理を描き、後半で殺人事件に至るまでのドラマを描いている。
たぶん小学生の頃に読んだと思う。後半のアメリカでのモルモン教共同体の話に聞き(?)憶えがある。今読んでの感想は、BBCのドラマ「シャーロック」で描かれているシャーロックとジョンの出会いは原作にほぼ忠実だったんだ、ということ。ジョンがアフガニスタンで負傷したことまで。ということは、アフガニスタンでは19世紀から21世紀までずーーーっと戦争が続いている、ということですね。
前半のシャーロックの捜査方法は、当時それまでの推理小説にない"リアル"感を醸し出していたと思う。これ以来、推理小説の探偵といえば虫眼鏡片手に床をなめるように調べる人、というイメージがあるけれど、靴底の模様やタバコの種類など鑑識結果から犯人を割り出すのは、犯罪捜査の基本ではないか。それが何だっていうの、という些末な事柄が決定的な手がかりになり真相につながるのを読むのは楽しい。
モルモン教について書かれており、訳者が実際のモルモン教と異なる描写があるとことわりを入れている。しかし、モルモン教がいかに風変わりな新興宗教として当時の敬虔なクリスチャンに怖れを感じさせたかがわかる。
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