ニューヨーク郊外に別荘を持つ若き編集者とその新妻。別荘の隣人の老人が死去するが、毒殺の疑いがかかる。亡くなった夜に古風なドレスを着た女が部屋から消えたという噂が立ったのだ。
隣人のオカルトめいた悲劇に巻き込まれるうち、編集者は新妻が抱える暗い秘密に気付き始め、夫が担当する人気作家が描く魔女伝説と現実が錯綜しはじめる。
20代の頃に読んだことがあり、その時は事件が論理立てて解決された後にカーが提示したラストシーンにぞっとした。
今回もう一度読んでみて、前回ぞっとしたラストシーンに対して、「あらあらずいぶん自意識過剰なのねぇ」と批判的な印象を持った。こんなにバカな自分でさえも、トシを取れば図太くなるのか、と妙な感慨を持ってしまった。
二転三転する事件の見方、人間関係、オカルト。色々な要素が入り混じって、夢中になって読んでしまうミステリ。