バレエ団の新プリマに選ばれた主人公は、演目の白鳥の湖で、白鳥と黒鳥の両方を演じることになるが、レッスンがすすむうちに彼女の秘められた二面性、いい子と悪女、が顕わになり、現実と妄想を行き交う狂気の世界へ入り込んでいく、という話。
バーバラ・ハーシーとウィノナ・ライダーが出演しているのが懐かしい(?)感じがした。バーバラ・ハーシーはヒロインの母親役。自分の力不足ゆえに叶えられなかった夢を娘に託すシングルマザー。夢と娘への思い入れゆえ、ヒロインを追いつめる一端を担ってしまう。ウィノナ・ライダーは全盛期が過ぎてしまった花形プリマ。本人の私生活とかぶる感じ。
お稽古ごとのバレエでは上手に踊ることを求められ、上手に踊ることでホメられて自分の存在価値に納得していたが、大人になると芸術としての深み、人の心に訴える何かを求められる。子どもから思春期を経て大人になるって、実は難しいことなのですね。
童貞の妄想はコメディになるのに、処女の妄想は狂気として描かれてしまうのか。
2010年製作。2011年アカデミー賞主演女優賞受賞作。