エジンバラを舞台にしたリーバス警部シリーズ。
同僚のエリート警部の自殺、幼児失踪、小児性愛者の社会復帰、養護施設での虐待、昔の恋人の息子の失踪、そしてアメリカから帰国した殺人犯、といくつもの事件が同時進行している。全てが一つの真相に辿り着くのかと思ったが、それぞれがそれぞれに決着した。中には決着しないで次回作に期待をつなぐ事件もあるけれど。
これら事件の渦中で主人公がどのように考え、他者と関わり、行動していくかが描かれている。色々な側面を見せながら、今回のテーマ、暴力の連鎖ということで作品がちゃんとまとまっている。イアン・ランキン、さすがです。
発表順に読んでいこうと思っているのだけれど、また1作飛ばしてしまったよう。しかし前作の余韻がこの作品に漂っているので、前作も読んでおかなければと思う。