切ない映画だ。
青春は終わったと思っている中年の修理工、人生の絶頂期にいる若い飛行機乗り、自分の才能を信じ切っている若いアーティストの女の子が知り合う。3人の付き合いが始まり、ひょんなことからアフリカ沖に沈んでいる金塊を探す船旅を始める。
曇天の寒いパリを抜け出して、青空のアフリカ沖で3人はボロ船で生活しながら金塊を探す気ままな生活を楽しむが、そこにやさぐれたフランス人がやって来たことから歯車が狂い始める。
アラン・ドロンが本当にハンサム。こんなにハンサムで演技力のある男優はアラン・ドロン以降いないような気がする。それからフランス映画はさすがに衣装がお洒落。リノ・バンチュラのツナギですら粋に見えるし、ヒロインの服はまさにチープシック。
アフリカに行く前のウツウツとした生活、アフリカでの明るい幸せな生活、そした急転直下の悲劇とその結末。
多感な中学生の頃にテレビで観て、ラストシーンで泣いてしまった。今回もまた、胸がぎゅーっと締め付けられるような切なさでいっぱいになった。テーマ音楽がまた悲しみを掻き立たせる。フランス映画はお洒落に見せかけて、辛辣に人生の不条理を描いている。
1967年の作品。