以前観た伊丹万作の「赤西蠣太」がとても面白かったので、観てみることに。1937年、ドイツとの合作。東京都写真美術館「山岳映画特集上映」で上映されたのを観た。
ドイツの映画監督との合作のせいか、日本が不思議に描かれている。
小作農の息子だが、秀才であるため地主の養子となってドイツ留学した青年が、ドイツ人の女友だちと日本へ帰ってくる。養子先の娘は義兄に恋していて、いずれ結婚するつもりでいたが、ドイツ人女性の登場で精神錯乱、ドイツ帰りの青年は、学んで来たヨーロッパの思想と日本の現状の落差に戸惑う。
終盤、失恋の痛手から火山口から身を投げようと、娘は嫁入り道具の振り袖を着て山へ登る。それを知った青年は、靴下履きで火山を登って追いかけていく。なぜ靴下履きになるのかというと、途中に湖があり、泳いで渡るために靴を脱いでしまったから。
結局、2人は無事に山を下り、青年は土地に根ざした生き方に自分の人生を見いだす。
と、あらすじをまとめたけれど、観ている間中、話になかなかついていけなかった。
原節子が16歳で映画初主演した作品とのこと。他に早川雪舟、小杉勇が出演。原節子の父親役の早川雪舟は存在感があって、彼の演技で何とか話についていくことができたような気がする。特殊撮影円谷英二。音楽山田耕筰。